夜、ふとんに入ったときに感じる「…あれ、のどが少し痛いかも」。
その小さな違和感が、翌朝には体の重さへと変わり、仕事や家事にも影を落とす──。
看護師として、私は毎年この季節になると、
同じように“風邪の気配”をまとった人たちが増えていくのを見てきました。
そして気づいたのです。
人の体は、冷えにはとても正直で、あたたかさには静かに、でも確かに応えてくれる──ということを。
体を温めるスープの湯気。
レモンを搾ったときに広がる、ほのかな香り。
胃の奥までじんわり届く、甘酒のやさしい甘さ。
それらはただの「飲み物」ではなく、
免疫に火を灯し、体を内側から立て直してくれる小さな味方です。
忙しい日々の中でも、
「この一杯なら続けられる」と感じてもらえる温活レシピと飲み物を集めました。
冷え込む季節こそ、体の声を聞くチャンスです。
どうかこのページが、あなたの冬を少しだけ軽く、あたたかくしますように。
風邪の季節に“免疫力を上げる食べ物”が必要な理由
冬になると、どうして私たちは風邪をひきやすくなるのでしょうか。
その答えには、意外なほど「体の表面」と「内側の環境」が深く関わっています。
■ 冬に風邪が増える科学的理由:乾燥と粘膜バリアの低下
冬の空気は湿度が低く、さらに暖房で乾燥が進みます。
この乾燥によって、鼻や喉の粘膜は本来持っている“ウイルスを跳ね返す力(粘膜バリア)”が弱ってしまいます。
冬に風邪が急増する、最も大きな原因のひとつです。
ウイルスにとっては、扉が静かに開いた状態。
だからこそ冬は、粘膜を守る栄養と“あたたかさ”が欠かせません。
小さな乾燥が、風邪のきっかけになります。
■ 免疫には「栄養 × 温度 × 腸内環境」が必須
免疫力は、ひとつの栄養だけで成り立つわけではありません。
“食べるもの・体温・腸の状態”がそろってはじめて、本来の働きが活きてきます。
- ● 栄養:免疫細胞をつくる「たんぱく質」、粘膜を守る「ビタミンA」、白血球を支える「ビタミンC」が必須。
- ● 温度:体温が1℃下がると、免疫は約30%低下するとされ、温かい食事は免疫の働きを後押しします。
- ● 腸内環境:免疫細胞の約70%が腸に存在。発酵食品で整えることで、免疫全体がスムーズに。
冬こそ「食べ合わせ」が大事な理由です。
体は、日々の選択の積み重ねで強くなっていきます。
■ 厚労省・NIHN(国立感染症研究所)が示す「風邪予防 × 食事」の根拠
厚生労働省は、風邪を含む感染症対策として、
・バランスの良い食事
・十分な休息
・体を冷やさない生活
を推奨しています。
また、NIHNの研究でも、乾燥した環境ではウイルスが空気中で長く生き残りやすいことや、
体温の低下が免疫細胞の働きを鈍らせることが明確に示されています。
食事で「温める」「粘膜を守る」「必要な栄養を入れる」ことは、
薬を使う前にできる“最前線の風邪予防”なのです。
免疫を上げる食材(風邪予防に効く科学的根拠)
冬の体を守ってくれる食材には、ひとつひとつにちゃんと理由があります。
ここでは、医療の現場でも意識していた“免疫を支える栄養素と食材”を、科学的根拠とともにわかりやすくまとめました。
■ ビタミンC(柑橘・いちご・ブロッコリー)
ビタミンCは白血球の働きをサポートし、ウイルスへの抵抗力を高めることで知られています。
風邪予防の基本となる栄養素であり、冬の乾燥対策にも◎。
水溶性なのでこまめに補給すると効果的。朝のフルーツ習慣もおすすめです。
■ ビタミンA(人参・ほうれん草・卵)
ビタミンAは粘膜を守る“バリア栄養素”。
鼻や喉の粘膜は、ウイルスが最初に侵入しようとする“玄関”のような場所。
ここが丈夫だと風邪を寄せつけにくくなります。
卵はビタミンA・たんぱく質どちらも含む優秀食材。疲れやすい冬の味方。
■ たんぱく質(鶏肉・卵・豆腐)
免疫細胞そのものの材料になる、いわば“免疫の大黒柱”。
不足すると、免疫がそもそも働けなくなってしまいます。
肉・魚・卵・大豆製品をバランスよく。特に鶏肉&豆腐は消化もやさしく冬にぴったり。
■ 生姜(血流UP)
生姜は体内で“ショウガオール”という成分に変化し、血流を促進して体温を高めます。
体温上昇は白血球の活動もサポートし、風邪の初期にも有効です。
生姜は加熱すると温め効果がUP。スープ・お湯割りにひとさじが◎。
■ にんにく(アリシンの抗菌作用)
にんにくに含まれる“アリシン”には抗菌・抗ウイルス作用があり、風邪予防の研究でも注目されています。
疲労回復効果もあるため、冬の「なんとなくダルい」対策にも。
■ きのこ(βグルカン)
きのこに含まれる“βグルカン”は、免疫細胞(マクロファージ)を活性化する働きがあるとされています。
種類による差も少なく、毎日食べやすいのが魅力。
冷凍すると旨味と栄養がUP。味噌汁の具に常備がおすすめ。
■ 発酵食品(味噌・ヨーグルト)
腸は免疫細胞の約70%が集まる“免疫の本拠地”。
味噌やヨーグルトは腸内環境を整え、免疫全体の底上げに役立ちます。
ヨーグルトは毎日少しずつが鍵。味噌汁は温活効果もある万能食。
免疫力を上げる簡単レシピ(忙しい日でもできる)
「手の込んだ料理は無理だけど、体にいいことはしたい」──そんな日こそ、
“切って・煮て・混ぜるだけ”の簡単レシピが心強い味方になります。
ここでは、免疫を支える食材をぎゅっと詰め込んだ「冬のあったかレシピ」をご紹介します。
忙しくても、自分をいたわる一皿を。
生姜たっぷり免疫スープ(生姜+鶏肉+白菜)
◆ 材料(2人分の目安)
- 鶏むね肉 or ささみ…150g(一口大にそぎ切り)
- 白菜…2〜3枚(ざく切り)
- 生姜…1かけ(千切り or すりおろし)
- 長ねぎ…1/2本(斜め切り)
- 水…400ml
- 鶏がらスープの素…小さじ2
- 塩・こしょう…少々
- ごま油…少々(仕上げ用)
◆ 作り方
- 鍋に水・鶏がらスープの素・生姜を入れて火にかける。
- 沸騰したら鶏肉を入れ、アクを軽く取り除く。
- 白菜と長ねぎを加え、野菜がしんなりするまで煮る。
- 塩・こしょうで味をととのえ、仕上げにごま油をひと回し。
生姜で血流UP、鶏肉でたんぱく質、白菜でビタミンと食物繊維。
消化にもやさしく、「なんだかだるい」日にぴったりの一杯です。
冷えで固くなった体を、内側からゆっくりゆるめてあげましょう。
風邪予防にんにく卵スープ(アリシン × たんぱく質)
◆ 材料(2人分)
- 卵…2個
- にんにく…1かけ(みじん切り or スライス)
- 水…400ml
- コンソメ or 鶏がらスープの素…小さじ2
- しょうゆ…小さじ1
- 塩・こしょう…少々
- お好みで:小ねぎ・ごま油少々
◆ 作り方
- 鍋に水・コンソメ・にんにくを入れ、弱めの中火でコトコト煮る。
- 沸騰してきたら火を少し弱め、溶き卵を細く回し入れる。
- ふんわり固まったら、しょうゆ・塩・こしょうで味をととのえる。
- 器によそい、お好みで小ねぎとごま油を添える。
にんにくのアリシンは抗菌・抗ウイルス作用が期待され、卵は良質なたんぱく源。
シンプルなのに“免疫のベース”を支えてくれる一杯です。
にんにくは「効かせたいときに、少量をやさしく」がちょうどいいバランス。
βグルカン豊富!きのこ味噌汁(風邪予防 × 発酵食品)
◆ 材料(2〜3杯分)
- 好みのきのこ(しめじ・えのき・舞茸など)…合わせて1パック分
- 玉ねぎ…1/4個(薄切り・あれば)
- だし汁…500ml(顆粒だしでもOK)
- 味噌…大さじ2〜3
- お好みで:豆腐・わかめ・ねぎ など
◆ 作り方
- きのこは石づきを取ってほぐし、玉ねぎは薄切りにする。
- 鍋にだし汁ときのこ・玉ねぎを入れ、やわらかくなるまで煮る。
- 火を弱め、味噌を溶き入れる(沸騰させないように注意)。
- お好みで豆腐やわかめを加え、器に盛ってねぎを散らす。
きのこのβグルカンで免疫細胞をサポートし、味噌の発酵パワーで腸内環境も整える一杯。
「とりあえず味噌汁だけは続ける」でも、立派な免疫ケアです。
毎日の小さな一杯が、“風邪をひきにくい自分”を育てていきます。
柑橘とヨーグルトのビタミンボウル(朝に摂ると効果的)
◆ 材料(1人分)
- プレーンヨーグルト…100〜150g
- みかん・オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘…1個分(皮をむいて一口大に)
- キウイやいちご(あれば)…適量
- はちみつ…小さじ1(お好みで)※1歳未満にはNG
- ナッツやオートミール…少々(トッピング)
◆ 作り方
- 器にヨーグルトを入れる。
- その上に柑橘類とお好みのフルーツをのせる。
- ナッツやオートミールを散らし、はちみつを回しかける。
柑橘類のビタミンC、ヨーグルトの乳酸菌、ナッツの良質な脂質が一度にとれる“朝の免疫ボウル”。
忙しい朝でも、切ってのせるだけでOKです。
「朝何を食べるか」が、その日の体調をやさしく左右します。
鮭と野菜のあったかホイル焼き(ビタミンD × たんぱく質)
◆ 材料(1人分)
- 生鮭…1切れ
- 玉ねぎ…1/4個(薄切り)
- しめじ・えのきなどのきのこ…ひとつかみ
- にんじん・ブロッコリーなどお好みの野菜…適量(薄切り or 小房)
- バター…10g
- 酒…小さじ1
- 塩・こしょう…少々
- アルミホイル…適量
◆ 作り方
- アルミホイルを広げ、玉ねぎ・野菜・きのこを土台のように敷く。
- その上に鮭をのせ、塩・こしょう・酒をふり、バターをのせて包む。
- オーブントースターまたは魚焼きグリルで10〜15分ほど、鮭に火が通るまで焼く。
鮭に豊富なビタミンDは、免疫調整に関わる重要な栄養素。
野菜ときのこも一緒にとれる、お皿ひとつで完結する“ご褒美めし”です。
包んで焼くだけなのに、テーブルに出すとちょっと特別な気分になれます。
次は、「風邪の引き始めにこそ選びたい食べ物」について、もう少し踏み込んでお話しします。
風邪の“引き始め”におすすめの食べ物
「なんだかゾクッとする」「頭がぼんやりする」──そんな“風邪の入り口”のような感覚。
このタイミングで何を食べるか・どう過ごすかで、その後の経過が大きく変わることがあります。
ここでは、看護師として多くの患者さんを見てきた経験から、
風邪の“引き始め”にこそ選びたいやさしい食べ物をまとめました。
「がっつり食べる」より、「体に負担をかけない」がキーワードです。
■ なぜ“消化のやさしいもの”が良いのか
風邪の引き始めは、体がウイルスと戦う準備を始めている状態。
そんなときに脂っこいもの・食べすぎ・冷たい飲み物が入ってくると、
体は「消化」にもエネルギーを割かなくてはならず、回復が遅れてしまうことがあります。
風邪の引き始めは、“胃腸の負担を減らして、免疫にエネルギーを回す”イメージで。
消化がやさしい・温かい・水分がとれるものを選びましょう。
「しっかり食べなきゃ」ではなく、「体が受け入れやすいものを少しずつ」でOKです。
■ 温かい汁物(味噌汁・ポタージュ)で内側から温める
最初に意識したいのは、体を内側から温めること。
そんなときに心強い味方が、味噌汁やポタージュなどの温かい汁物です。
- ● 味噌汁:発酵食品である味噌が腸内環境をサポート。具材次第でたんぱく質・ビタミンも一緒にとれます。
- ● ポタージュ:野菜をとろとろに煮てミキサーにかけることで、消化に負担をかけず栄養を補給できます。
一度にたくさん飲むより、少しずつ、ゆっくり温度を感じながら飲むのが理想的。
冷えた内臓が、“ほっと息をつく”ように温まっていきます。
「今日だけは、汁物を主役にしてあげる」くらいの気持ちで。
■ 柑橘・いちご(ビタミンC)でやさしく免疫サポート
喉がイガイガし始めたときに意識したいのが、ビタミンC。
特に、みかん・オレンジなどの柑橘や、いちごは風邪の季節にうれしい果物です。
- 柑橘類:ビタミンCに加え、水分補給にも役立つ。
- いちご:小さくてもビタミンCがぎゅっと詰まっている“ビタミン果実”。
冷蔵庫から出したての“キンキン”は避けて、少し常温に近づけてから食べると体にやさしいです。
ビタミン補給も「からだを冷やさない工夫」が大切です。
■ 卵・豆腐(負担の少ないたんぱく質)で回復の土台づくり
「食欲はあまりないけれど、何かは食べておきたい」
そんなときに頼りになるのが、卵と豆腐です。
- 卵:たんぱく質・ビタミン・ミネラルがバランスよく含まれた“完全栄養に近い食材”。
- 豆腐:消化にやさしく、植物性たんぱく質を負担なく補給できる。
・卵スープ、卵とじうどん
・豆腐入り味噌汁、湯豆腐
“噛まなくても食べられるくらいのやわらかさ”を目安にすると、体調が悪いときでも負担が少なく食べやすいです。
「たくさん食べる」より、「回復の材料を少しでも入れてあげる」感覚で。
■ 無理せず、自分の体の声を聞くことがいちばんのケア
風邪の引き始めは、不安になりやすいタイミングですが、
「食べなきゃ」「がんばらなきゃ」と無理をするほど、体はこたえてしまいます。
・食欲があるときは、やさしい温かい食事を少ししっかり。
・食欲がないときは、汁物やフルーツを少しずつでもOK。
大切なのは、“今の体調で受け入れられるものを選ぶこと”です。
強いだるさ・高熱・水分もとれないほどの状態が続くときは、
自己判断で様子を見るのではなく、早めに医療機関へ相談してくださいね。
食べ物はあくまで“支えてくれる存在”。つらいときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
次は、毎日の生活に取り入れやすい「免疫力を上げる温かい飲み物」についてご紹介していきます。
免疫力を上げる温かい飲み物まとめ
冬の体調管理には、「何を食べるか」だけでなく「何を飲むか」も大切なポイント。
特に、あたたかい飲み物は体温を保つだけでなく、血流・代謝・消化のサポートにもつながり、免疫の土台をそっと整えてくれます。
ここでは、忙しい毎日でも取り入れやすい“免疫を底上げする温かい飲み物”をわかりやすくまとめました。
体がじんわりほぐれていくような、やさしい一杯ばかりです。
飲み物ひとつで、体はしっかり応えてくれます。
■ 白湯(体温UP・消化サポート)
ただのお湯…と思われがちですが、白湯はもっともシンプルで続けやすい“温活の基本”です。
体を内側から温め、冷えによる免疫低下をサポート。
胃腸の動きをやさしく整え、朝の白湯習慣は代謝アップの効果も期待できます。
- 朝起きてすぐの1杯 → 体温スイッチを入れる
- 帰宅後の1杯 → 冷えをリセット
「ちょっと疲れたな…」そんな日にこそ、静かに寄り添ってくれる飲み物。
■ 生姜湯(血流促進 × 温活)
冷えがひどい日、手足がなかなか温まらない日、風邪の“気配”を感じる日。
生姜は加熱されることで「ショウガオール」が増え、より強い温め効果を発揮します。
さらに、生姜の香り成分には鎮静作用があり、気分もすっきり。
簡単レシピ:
- お湯 150〜180ml
- すりおろし生姜 or チューブ 1cm〜2cm
- はちみつ(お好みで)
血流がよくなることで免疫細胞が働きやすくなり、のどの違和感にも◎
“じんわり温まる感覚”は、体のサインに耳を傾けてあげる時間でもあります。
■ 緑茶(カテキンの抗菌)
緑茶に含まれるカテキンは、抗菌・抗ウイルス作用で注目されている成分。
温かい緑茶にすることで、のどの乾燥も防ぐことができます。
- 食事中:油の吸収をおだやかに
- 外から帰ったあと:のどの保湿を兼ねた一杯に
「緑茶でひと息つく」その時間も、免疫のリズムを整える大切な習慣。
■ 甘酒(発酵 × 温活)
甘酒には、ビタミンB群・アミノ酸・ブドウ糖がバランスよく含まれ、疲れた体のエネルギー源にぴったり。
発酵食品なので腸内環境にもアプローチできます。
- 朝の一杯 → 冷えやすい冬の代謝サポート
- 夜の一杯 → 体をほぐし、睡眠の質アップにも
風邪予防には米麹の甘酒がおすすめです。
冬の体と心を、そっとあたためてくれる優しい飲み物です。
■ はちみつレモン湯(ビタミンC × 抗菌)
のどの違和感、乾燥が気になる、疲れを感じるときの“救世主ドリンク”。
レモンのビタミンCとはちみつの抗菌作用が、風邪の予防・のどのケアをやさしくサポート。
香りで気持ちがふっと緩むのも嬉しいポイント。
簡単レシピ:
- お湯…150ml
- レモン果汁…小さじ2
- はちみつ…小さじ1〜2(体調に合わせて)
そっと体を包み込むようなやさしい甘さで、心まであたたまります。
次は、「免疫を弱めるNG食習慣」について。
良い習慣とセットで知っておきたい大切なお話です。
免疫を弱めるNG食習慣とは?
免疫力を上げる食事や飲み物をどれだけ意識しても、
“無意識のNG習慣”が積み重なると、体は静かに弱ってしまいます。
ここでは、看護師として 患者さんと向き合う中で
「これ、実は風邪をひきやすくしている原因かも…」と感じてきたポイントを、
やさしく、でもしっかりお伝えしていきます。
体を責めるのではなく、「気づいたら少し変えてみる」その積み重ねで十分です。
■ 冷たい飲み物の多飲
コンビニで買いやすい/仕事中にゴクゴク飲みたい/習慣になっている…など。
冷たい飲み物は胃腸を冷やし、消化力の低下 → 免疫低下に直結します。
特に、冬にキンキンの飲み物をとると内臓の温度が下がり、体がだるく感じやすくなります。
「まず一口は温かいもの」だけでも、体はホッとします。
■ 食事を抜く(血糖コントロール × 免疫低下)
忙しくて朝を抜く/昼ごはんを後回しにする/夜だけやたら多い
食事を抜くと血糖値が乱れ、体はストレス状態に。
ストレスホルモン(コルチゾール)は免疫を下げる働きがあるため、風邪をひきやすくなります。
また、食事を抜いた反動で「夜にどか食い」しやすく、結果として消化や睡眠にも悪影響を与えます。
・朝にみかん1つだけでもOK
・スープだけでも“食べた扱い”にしてあげる
「軽くでも食べる」は、体の安心感につながります。
■ インスタント・揚げ物過多
インスタント食品や揚げ物には、酸化した油・塩分・糖質が多く含まれ、
体に“負荷”として働きやすいからです。
これらは腸に負担をかけ、腸内環境の乱れ → 免疫機能の低下につながります。
特に、冬はもともと免疫が落ちやすいため、影響を受けやすくなります。
たとえばインスタントなら、野菜や卵をプラスするなどの“底上げ”も効果的です。
完璧じゃなくていい。“少し整える”だけで、体はちゃんと変わります。
■ 睡眠不足と免疫の関係
睡眠は“免疫のメンテナンス時間”でもあります。
睡眠不足が続くと、体の修復が追いつかず、
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)という免疫細胞がしっかり働けなくなります。
その結果、風邪やウイルスに弱い状態に。
- つい夜更かししてしまう
- スマホを見ながら寝落ちする
- 就寝時間が日によってバラバラ
・寝る前に白湯を一口
・スマホは“ベッドに持ち込まない”
・寝る時間は±30分以内に
体は、眠っている間にこそ強くなります。
次は、忙しい大人でも続けられる「1分でできる免疫ケア」をご紹介します。
すぐに実践できる“小さな習慣”ばかりです。
忙しい大人のための“1分でできる”免疫ケア
「時間がない」「余裕がない」──そんな毎日でも、
たった1分あればできる免疫ケアがあります。
すべては“続けやすさ”にこだわったものばかり。
どれも小さな習慣ですが、積み重ねるほど体が変わっていきます。
忙しくても、あなたの体は“待っていてくれる”わけではありません。
でも、小さなひと工夫で、体はちゃんと応えてくれます。
■ 朝はビタミンCを一つ
皮をむく、ひと口かじる。それだけでOKだから。
冬はとくに、ビタミンCの消費量が増えやすい季節。
朝にみかんやキウイ、いちごなどを“ひとつだけ習慣”にすることで、
免疫の立ち上がりがスムーズになります。
- 朝起きて最初の「ビタミン補給」
- 朝の乾燥から、粘膜をやさしく守る
朝のビタミンは、体の目覚めをそっと助ける“光”のような存在。
■ 帰宅後の白湯習慣
お湯を注ぐだけ。沸かしたお湯を飲むだけ。それだけで効果があるから。
外から帰ってきた体は、冷たい空気・乾燥・ストレスにさらされています。
そんな帰宅後のタイミングで白湯を一杯飲むと、体温が上がり、胃腸の血流が改善し、
免疫細胞が働きやすい環境に整います。
- 体が「家に帰ってきた」と安心するスイッチ
- 手足の冷えをリセットして、夜の疲労を軽くする
コップをひとつ「白湯用」に決めると習慣化しやすくなります。
白湯は、体と心の“ただいま”の儀式。
■ スープジャーを使った温活
「入れておくだけ」で、お昼には体が喜ぶ“あったかごはん”に。
「時間がない」を理由に、冷たいおにぎりやパンだけで済ませてしまう──
そんな日を減らすのに役立つのがスープジャー温活です。
朝、熱湯と具を入れるだけ。具材はシンプルでOK。
お昼にはポカポカの一杯が、あなたをやさしく迎えてくれます。
- 切らずに入れられるミニトマト・豆腐・卵・しめじなどが便利
- 味噌・コンソメ・鶏がらスープで簡単味付け
温かい食事は胃腸が動きやすく、午後のだるさや冷えの予防にもなります。
“自分を少しだけ甘やかすための一杯”をお昼に忍ばせて。
よくある質問(FAQ)
ここでは、読者の方からよくいただくご質問にお答えします。
「これってどうなの?」という素朴な疑問を、やさしく・ていねいに解説していきます。
Q1. 食べ物だけで風邪は予防できますか?
「食べ物だけで完全に風邪を防ぐ」ことはできません。
ただし、風邪をひきにくい体をつくることは、食事の力でしっかりサポートできます。
バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動・手洗い・保湿などがそろってこそ、免疫は本来の力を発揮します。
食事はその中でも、「体の材料を整える土台」のような役割と考えてください。
食べ物は「守ってくれる味方」であって、「万能のお守り」ではない──そんなイメージがちょうど良いです。
Q2. レシピはどれくらい継続すれば効果がありますか?
体質や生活習慣にもよりますが、目安としては「2〜3週間」続けると変化を感じやすくなります。
免疫は1日で劇的に変わるものではなく、「毎日の小さな選択の積み重ね」で少しずつ整っていきます。
まずは気になるレシピを1〜2品にしぼって、「無理なく続けられるペース」で取り入れてみてください。
「完璧にやる」より、「ゆるく続ける」ほうが、免疫にはやさしいことが多いです。
Q3. 冬にとくに意識したい栄養素は何ですか?
冬の風邪予防や免疫ケアで意識したいのは、次のような栄養素です。
- ビタミンC:柑橘類・いちご・ブロッコリーなど(白血球の働きをサポート)
- ビタミンA:人参・ほうれん草・卵など(粘膜バリアを守る)
- ビタミンD:鮭・サバ・きのこ類など(日照不足になりやすい冬に)
- たんぱく質:肉・魚・卵・大豆製品など(免疫細胞そのものの材料)
- 発酵食品:味噌・ヨーグルト・納豆など(腸内環境から免疫を支える)
ひとつに偏らず、「少しずつ、いろいろ」を心がけるのが、冬の食卓のコツです。
Q4. にんにくや生姜は毎日とっても大丈夫ですか?
基本的には、毎日とっても大丈夫です。
ただし、「量」と「体質」には注意が必要です。
- にんにく:とり過ぎると胃腸への刺激が強く、お腹がゆるくなることも
- 生姜:胃が弱い方は空腹時を避け、スープや料理と一緒にとるのがおすすめ
目安としては、「毎食たっぷり」ではなく「1日少量をコツコツ」が安心です。
胃の不快感や体調の変化があれば、量を減らしたり頻度を調整してみてください。
体が心地よいと感じる範囲で続けることが、いちばんの免疫ケアです。
Q5. 温かい飲み物は、どのタイミングで飲むのがベストですか?
おすすめのタイミングは、次の3つです。
- 朝起きてすぐ:白湯や温かいお茶で、体温と胃腸のスイッチを入れる
- 帰宅後:冷えた体をリセットし、1日の緊張をほどくタイミングに
- 寝る前:カフェインレスの飲み物で、体と心をゆるめて眠りの準備を
はちみつレモン湯や甘酒など、糖分を含む飲み物は「夜遅くに大量」ではなく、少なめをゆっくり飲むのがおすすめです。
また、はちみつは1歳未満のお子さんには絶対に与えないよう注意してください。
「この一杯で、自分をいたわる時間をつくる」──そんな意識で選ぶと、習慣としても続きやすくなります。
参考・監修情報
本記事の内容は、看護師としての臨床経験に加え、日本の公的機関や専門機関が発信している情報を参考にしています。
以下のサイトを中心に、「免疫」「栄養」「風邪・感染症予防」に関する一次情報・解説を確認しました。
-
厚生労働省|KENPOS(野菜1日350gで健康増進)
野菜に含まれるビタミンA・C・食物繊維などが、免疫機能の維持や粘膜の健康に役立つことについて解説されたページです。
ビタミンA・Cが風邪予防や免疫維持に関連する部分を参照しました。 -
厚生労働省|KENPOS(果物1日200gのすすめ)
みかんやキウイなどの果物に豊富なビタミンCが、免疫機能の強化に役立つとされる根拠が示されています。
柑橘類・果物と免疫・ビタミンCの関係についての記述を参考にしています。 -
政府広報オンライン|インフルエンザの感染を防ぐポイント
十分な休養とバランスのとれた栄養摂取が、インフルエンザをはじめとした感染症対策として重要であることが示されています。
「睡眠・栄養・生活習慣」が風邪・感染症予防の基本であるという考え方の根拠としました。 -
健康長寿ネット|免疫力を高める食事とは
公益財団法人長寿科学振興財団が運営するサイト。
たんぱく質・ビタミンA・C・E・ミネラル・発酵食品などが免疫機能の維持に関わる栄養素として解説されています。
「免疫と腸内環境」「バランスの良い食事」の重要性に関する部分を参考にしました。 -
公益社団法人 日本栄養士会|「予防めし」特集(免疫機能と食事)
管理栄養士・栄養士の専門団体による、免疫機能を低下させないための「予防めし」の考え方や、
特定の食品に偏らず、栄養バランスを重視する重要性についての解説を参照しました。 -
大塚製薬|免疫Navi「風邪対策」
企業サイトではありますが、風邪と免疫・生活習慣・体温・湿度の関係について、わかりやすくまとめられた解説ページです。
冷え・乾燥・生活リズムが風邪リスクに影響するという説明の補強として使用しています。 -
一般社団法人Jミルク|免疫機能を整えるための食生活と牛乳などの役割
免疫機能を維持するには各種栄養素が複合的に作用すること、またバランスのよい食事が重要であることが述べられています。
「一つの食材だけに頼らず、全体の食事バランスで免疫を支える」という考え方の参考としました。 -
厚生労働省|インフルエンザQ&A(冬と乾燥・粘膜防御について)
空気の乾燥により、のどの粘膜の防御機能が低下し、感染症にかかりやすくなることについての解説。
冬の乾燥・粘膜バリア低下と、風邪・インフルエンザ流行の関係を説明する際の根拠として参照しました。
※すべて、執筆時点で一般公開されているページを確認し、内容を要約して引用しています。
※本記事はこれらの情報をもとに、看護師としての臨床経験・予防医療の視点を加えて構成したものであり、特定の製品・サービスの利用を直接推奨するものではありません。
本記事は、健康維持や風邪予防を目的とした一般的な情報をまとめたものであり、
特定の症状・疾患に対する診断や治療を行うものではありません。
体調不良が長引く場合、高熱・激しい倦怠感・呼吸の苦しさ・水分がとれないなどの症状がある場合は、
迷わず医療機関にご相談ください。
また、記事内の食材や飲み物は万人に適するものではありません。
持病のある方・妊娠中の方・服薬中の方は、かかりつけ医や専門家にご相談のうえ取り入れてください。
はちみつは1歳未満のお子さまには絶対に与えないでください。
乳児ボツリヌス症のリスクがあります。
※記事内容は公開時点の情報に基づいています。体質や健康状態には個人差があるため、
ご自身の体調に合わせて無理のない範囲でお試しください。


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