冬の朝、ふと体が重たく感じ、、、
「また増えてる…」と体重計の数字に肩を落とす日があります。
一方で、同じ季節なのに「最近痩せた?」と声をかけられる人もいる。
同じ冬。
同じ寒さ。
同じ日本に暮らしていても、体重の変化はこんなにも違う──。
看護師として多くの患者さんと向き合う中で、私はある事実に気づきました。
それは、冬に太りやすい人と、逆に痩せやすい人には“体のクセ”があるということ。
しかもそのクセのほとんどは、あなたが今日から変えられるものばかりなのです。
冬は、体が静かに“本来のリズム”を見せてくれる季節。
そのリズムのズレに気づけた瞬間、体はやさしく整いはじめます。
この記事では、
「冬に太る人・痩せる人は何が違うのか?」
医学と行動科学の視点から、あなたの体を守るための
“知らないと損する5つの真実”をお届けします。
知ることは、自分を守るあたたかな光。
どうかこの冬が、あなたにとって優しい変化の季節になりますように。
冬に太る人・痩せる人がいるのはなぜ?
まず知っておいてほしいのは、冬に太る・痩せる違いは“体質”ではなく、体が環境にどう反応するかで決まるということです。
看護師として多くの患者さんと向き合って実感したのは、冬の体重変化は生まれつきではなく「習慣とホルモン」の反応パターンによってつくられるという事実でした。
その変化にどう適応するかで、体重の伸び方が人によって大きく変わるのです。
冬の体を動かす主な3つの要素は次のとおりです。
- ① 生活習慣の変化(外出減・運動減・食習慣の乱れ)
- ② 自律神経の切り替わりやすさ(交感神経/副交感神経のバランス)
- ③ ホルモンの働き(食欲・代謝・睡眠を調整)
この3つが組み合わさることで、まるで“体の冬モード”が発動し、太りやすい人・痩せやすい人を分けていきます。
【 冬になると、体の中ではなにが起きている? 】
たとえば、こんな反応が静かに起きています。
- 寒さで代謝がどれだけ上がるか(筋肉量や体温で差が出る)
- 日照減少でセロトニンが低下しやすいか
- 活動量が低下したときの体の反応(消費カロリーの落ち幅)
- 睡眠が深くなりやすいか浅くなりやすいか
そして驚くほど多くが、今日から変えていけるものばかりなのです。
冬は気温・光・行動のすべてが揺れやすくなるため、小さな習慣の差が大きな体重差として現れる季節。
だからこそ、逆に言えば理解し、整えれば体はすぐに応えてくれるのです。
「冬の体は、静かに“本来のリズム”を語りはじめます。」
冬に“体重が増える人”の特徴とメカニズム
冬に太りやすい人には、いくつか共通するパターンがあります。
それは「意志が弱いから」でも「食べ過ぎたから」でもありません。
多くの場合、冬という環境に体が敏感に反応してしまう“クセ”があるだけなのです。
“欲求”や“滞り”が優位になりやすい季節。
そのバランスが崩れた時、体重はそっと増えはじめます。
特徴① 活動量が落ちやすい(歩数が10~30%低下)
寒さで外出が減り、動くことが少なくなると、
NEAT(非運動性活動熱産生)が大きく低下します。
厚生労働省やNIBIOHNのデータでも、冬は平均歩数が10〜30%ダウンすることが確認されており、これは基礎代謝よりも体重に直結しやすい変化です。
運動をしていなくても、ここが冬太りの最大ポイントです。
特徴② 日照不足 → セロトニン低下 → “甘いもの欲”が増える
冬は日照時間が短くなるため、脳内のセロトニン(安定や満足を生むホルモン)が下がりやすくなります。
その結果、
- 甘いものが欲しくなる
- 炭水化物に手が伸びやすくなる
- 食後にもう一口ほしくなる
という“冬特有の食欲シフト”が起きやすくなるのです。
意志ではなくホルモンの働きの変化なので、自分を責める必要はありません。
特徴③ 冷え → 血行不良・むくみ → “体重が増えたように見える”
寒さで血流が滞ると、体は体温を守るために「水分を抱え込む」働きをします。
これが、冬に特に多いむくみの原因です。
むくみは脂肪ではありませんが、数百グラム〜1kg以上体重が増えることもあり、体が重く感じます。
冬太りと混同しやすく、不安を大きくしがちなポイントです。
特徴④ 睡眠リズムが崩れやすい(食欲ホルモンが乱れる)
冬は夜更かしが増えたり、寝つきが悪くなる人が多くなります。
睡眠が乱れると、
- レプチン(満腹ホルモン)が低下
- グレリン(食欲ホルモン)が上昇
という“逆転現象”が起こり、普段より食欲が強く出ます。
冬の食欲暴走は、あなたの心の弱さではなく“ホルモンの揺らぎ”によるものです。
「食欲は心の鏡。冬はその鏡が少し揺れやすくなる季節です。」
冬に“体重が減る人”の特徴とメカニズム
一方で、同じ冬なのに「なぜか体重が落ちていく人」もいます。
特別なダイエットをしているわけでもないのに、気づけばすっきりしている人たちです。
彼らは、決して“選ばれた人”ではありません。
よく見ていくと、冬という季節に「味方してもらいやすい体のクセ」や生活パターンを持っているだけなのです。
ひとつひとつは、小さな選択と積み重ねにすぎません。
特徴① 筋肉量が多い/体温が高い(筋肉は“あたたかいストーブ”)
冬に痩せやすい人の多くは、筋肉量がしっかりしている・平熱が高めという共通点があります。
筋肉はじっとしていてもエネルギーを消費する“あたたかいストーブ”のような存在。
筋肉が多い人は基礎代謝が高いうえに、寒さに反応して熱をつくる働き(熱産生)が増えやすくなります。
筋肉量が多い人は“燃やしているカロリー”が違う。
これが、冬に体重が落ちやすい人の大きな土台です。
「筋トレを本格的にしていない」という人でも、
日常的によく歩く・階段を使う・立ち仕事が多いなどの生活スタイルによって、知らないうちに“筋肉が育っている”ケースもよくあります。
特徴② 冬でも活動量が落ちない生活パターン
冬に痩せる人は、意外と「運動をがんばっている」という自覚がないことも多いもの。
でもよく聞いてみると、
- 犬の散歩が毎日の習慣
- 職場や自宅が広く、よく歩く
- 買い物でも車より徒歩・自転車が多い
- 冬でもジム・ヨガ・ダンスなどを続けている
など、冬になってもNEAT(非運動性活動)や軽い運動が落ちていないことがほとんどです。
この小さな差が、数週間〜数ヶ月後には大きな体重差になります。
特徴③ 寒さで食欲が落ちるタイプ(交感神経優位)
冬になると、逆に食欲が落ちてしまうタイプの人もいます。
これは、寒さで交感神経が優位になりやすい体質の人に多く見られます。
交感神経が優位になると、
- 胃腸の動きが少し控えめになる
- 「お腹が空いた!」と強く感じにくい
- “ちょこっと食べ”で済ませがち
といった状態になり、結果的に摂取カロリーが自然と少なくなるのです。
体が寒さに緊張しているサインでもあります。
痩せる一方で、エネルギー不足にならないよう注意が必要です。
特徴④ 食事が規則的になりやすい(鍋・スープでバランス◎)
冬に痩せる人の食事を見てみると、
意外なほどシンプルで、温かく、規則的であることが多いです。
- 夜は鍋・スープ・味噌汁が中心
- 野菜・たんぱく質を一度に摂りやすい
- 温かい食事で満足感が高まり、ダラダラ食べが少ない
このような食事パターンは、
- 血糖値の急上昇が起こりにくい
- 食べすぎを防ぎやすい
- 胃腸のリズムが整いやすい
というメリットがあり、結果として冬でも太りにくい食べ方につながります。
冬痩せ体質をそっと支えています。
特徴⑤ 冬のほうが睡眠が安定するタイプ
冬は「よく眠れる」という人も少なくありません。
冷えた空気とあたたかい布団のコントラストは、深い睡眠を誘いやすい環境です。
睡眠が安定すると、
- レプチン(満腹ホルモン)がバランスよく分泌される
- グレリン(食欲ホルモン)の暴走が抑えられる
- 成長ホルモンが分泌され、筋肉と代謝をサポート
といった形で、「太りにくいホルモン環境」が整います。
それはダイエットというより、「体のメンテナンス期間」に近いかもしれません。
「睡眠こそ、冬のダイエットを左右する静かな主役。」
太る人・痩せる人の“決定的な違い”は何か
ここまで読んで気づいた方もいるかもしれません。
冬に太る人と痩せる人の違いは、「才能」でも「年齢」でもなく、体が季節にどう反応するかという“クセの違い”なのです。
そしてそのクセは、どれも気づけば変えられるものばかり。
では、太りやすい・痩せやすいを分ける決定的な要素とはなんでしょうか?
たった1つの行動でも、体は確実に変わっていきます。
◆ ① 基礎代謝の差(筋肉量・体温)
筋肉量や平熱は、代謝の“土台”そのもの。
基礎代謝が高い人は、冬の寒さで熱産生が増え、自然と消費エネルギーが上がるため痩せやすくなります。
筋肉は、冬にもっとも力を発揮します。
◆ ② NEAT(非運動性代謝)の差【最重要】
冬太り最大の分かれ道は「どれだけ動いているか」ではなく、「動かなかった時間がどれほど増えたか」です。
座り時間が増えると、NEATがガクッと低下し、1日の総消費カロリーが大きく減ります。
一方、冬でも動けている人は、特別な運動をしていなくても自然と体重が落ちやすい状態になります。
冬の体重は、ここで8割決まると言っても過言ではありません。
◆ ③ 食欲ホルモンの乱れやすさ
冬は、日照減少や睡眠リズムの乱れによって、
- セロトニン(満足感)
- レプチン(満腹ホルモン)
- グレリン(食欲ホルモン)
これらが揺れやすくなります。
ホルモンが不安定だと、「本当の空腹ではない食欲」が生まれやすいため、冬太りの原因になりやすいのです。
整えていけば、誰でもスッと落ち着いていきます。
◆ ④ 生活リズムの安定度
冬に痩せやすい人ほど、生活リズムが乱れにくい傾向があります。
逆にいうと、冬太りしやすい人は、
- 睡眠時間がずれる
- 食事時間がバラバラになる
- 朝の光に当たる時間が少ない
といった形で、リズムが崩れやすいのです。
逆に、整えば体はどんどん軽くなっていきます。
◆ ⑤ むくみやすさ(血流の差)
冬太りに見える体重増の中には、“むくみ”という偽物の体重が含まれていることがあります。
血流が良い人はむくみにくいため、体重が安定して見えるのです。
むくみは、適切にケアすれば数日でスッと引いていくもの。
だからこそ、むくみやすさは改善しやすい要素でもあります。
◆ ⑥ ストレス耐性と交感神経の働き
冬はストレスが増えやすく、交感神経の影響が強く出ます。
ストレスが高いほど食欲や睡眠が乱れ、太りやすい環境が整ってしまうのです。
冬は心と体の反応が、より密接に影響し合います。
これら6つを見てみると、共通しているのはただひとつ。
あなたの体質は、決して固定されたものではありません。
どれかひとつでも整っていくと、体はその変化をやさしく受け取り、静かに軽くなっていきます。
あなたはどっちタイプ?冬のセルフチェックリスト
ここまで読んできて、
「私は太りやすい? それとも痩せやすい?」
そんな疑問が浮かんできた方もいるかもしれません。
そこで、冬に体がどのように反応しやすいかを知るための
簡単セルフチェックを用意しました。
「自分のクセ」に気づくことが、体質改善のいちばんの近道です。
◆ 冬の反応セルフチェック
当てはまるものにチェックを入れてください。(1つ1点)
- □ 冬は外に出るのが少しおっくうになる
- □ 歩数が減っている気がする
- □ 甘いもの・炭水化物を欲しやすい
- □ 夕方〜夜に食欲が強くなる
- □ むくみやすく、手足が冷えやすい
- □ 冬は眠りが浅くなりやすい
- □ 朝起きたときに体が重い
- □ 暖房なしでは過ごせない(体温が低め)
以下の項目は、当てはまる場合 “マイナス点” です。
- □ 冬は食欲が落ちる(−2点)
- □ 鍋・スープ・味噌汁など温かい食事が多い(−1点)
- □ 冬のほうがよく眠れる(−2点)
◆ あなたのタイプ診断
冬の環境に体がうまく適応できているタイプ。
代謝・NEAT・睡眠のバランスが整いやすい季節です。
ただし食欲低下が強い人は、栄養不足にならないよう注意。
太る原因・痩せる原因が半々。
ちょっとした習慣の差で体重が大きく変わるタイプです。
“整えるポイント”をつかむと、冬が味方になります。
NEAT低下、日照不足による食欲シフト、むくみ、睡眠の乱れなど、
冬の環境の影響を受けやすい状態です。
ただしどれも「変えられるクセ」なので、安心してください。
次の章で“冬こそ体質改善が進む3つの軸”をご紹介します。
セルフチェックは“あなたのクセを知るための地図”。
ここから先は、そのクセをどう整えれば、冬を味方につけられるのかをお伝えしていきます。
ナースが提案|冬こそ体質改善が進む“3つの軸”
「冬は太りやすい季節」と思われがちですが、実はその逆。
冬は、体質改善がもっとも進みやすい季節なのです。
その理由は、冬の体が“揺れやすい=整えた変化が反映されやすい”という性質を持っているから。
だからこそ、ここで紹介する3つの軸を押さえるだけで、体は静かに軽くなり始めます。
冬こそ、習慣がやさしく効きはじめる季節です。
軸① NEAT(非運動性代謝)を意識する
冬太りの8割を占めると言われるのが、NEATの低下。
NEATとは、運動以外の“日常の小さな動き”のこと。
- 家の中を歩く
- 掃除・洗濯・料理
- 買い物への移動
- ちょっとした立ち座り
これらが冬は一気に減ってしまいます。
今日からできるおすすめのNEATアップ術は…
- +10分だけ歩く(通勤・買い物のついででOK)
- 1時間に1回、30秒だけ立つ
- キッチンや洗面所で「ながらステップ」
- 部屋の中を一往復だけ歩く“ミニ散歩”
積むたびに、あなたの代謝は静かに上がっていきます。
軸② 食欲・睡眠・光を整え、“ホルモンの揺れ”を防ぐ
冬はホルモンが揺れやすく、食欲・代謝・睡眠が乱れがち。
だからこそ、“土台となる3つのリズム”を整えることが大切です。
● 朝の光を浴びる(セロトニンを整える)
朝5〜15分でOK。光が脳に届くと、セロトニンが活性化し、食欲や気分のコントロールが安定します。
● 睡眠の深め方を変える
- 寝る90分前の入浴(深部体温が落ちると寝つきUP)
- 寝室を暗く・涼しく保つ
- スマホは寝る1時間前までに
● 温かい食事で“冬の暴走食欲”をやさしく抑える
- 味噌汁・スープ・鍋を一品加える
- まず温かい汁物 → 食事の順番で血糖値が急上昇しにくい
- たんぱく質+食物繊維で満足度UP
「自然と食べ過ぎない体」になっていきます。
軸③ 冷え対策 × 筋肉づくりで“冬太りしない体”へ
冬は体が冷えると、血流が悪くなり代謝が落ちるだけでなく、
むくみ・肩こり・疲労・睡眠の質低下にもつながります。
● 軽負荷トレーニング(筋肉=代謝の基盤)
負荷は軽くてOK。続けられることの方が100倍大事です。
- 椅子スクワット 10回
- ゆっくり“ながら”かかと上げ
- 2分だけヒップヒンジ(お辞儀姿勢)
● 体温を上げる食材を取り入れる
- しょうが・ねぎ・にんにく
- 味噌・キムチ・納豆など発酵食品
- 鶏肉・卵・豆腐などの良質なたんぱく質
● “温活”は冬の体の味方
- 腹巻き・レッグウォーマーで内臓を冷やさない
- 足首・手首・首の“三つの首”を温める
冷えを防ぐことは、冬の体質改善の最短ルートです。
これら3つの軸は、どれも難しいことではありません。
むしろ「ちょっと変えるだけ」で、大きな変化につながる習慣です。
無理のない一歩が、未来のあなたをあたためてくれます。
まとめ
冬は太りやすい──そう思われがちな季節ですが、
この記事を通して見えてきたのは、「冬こそ変わる力が眠っている」ということでした。
太る人・痩せる人の違いは、決して特別な才能ではありません。
筋肉量、NEAT、食欲ホルモン、生活リズム、むくみやすさ、ストレスの受け止め方…。
それぞれは小さな“体のクセ”の積み重ねであり、
どれも気づけば、優しく整えていけるものばかりです。
厳しい努力ではなく、あなたの生活に寄り添う“ひとつの選択”が、未来の体を変えていきます。
冬は、体が揺れやすい季節。
だからこそ、整えた変化がそっと反映され、習慣がやさしく効く季節でもあります。
今日のあなたの行動が、冬の体をあたため、
これからの1ヶ月、3ヶ月、そして未来の10年を、少しずつ変えていきます。
「理解すると、体は変わり始める──それが冬の魔法。」
どうか今日の自分に、小さなやさしさを。
その積み重ねが、あなたの体をまっすぐ照らしてくれます。
FAQ(よくある質問)
冬の体重変化について、よくいただくご質問をQ&A形式でまとめました。気になるところからタップしてお読みください。
Q1.冬に太りやすい一番の原因は?
一番の原因は「NEAT(非運動性活動)」の低下です。
寒さで外に出る機会が減り、家の中でも「座っている時間」が長くなりがちです。すると、
- 歩く・立つ・家事をするなどの日常の動きが減る
- 1日の総消費カロリーがじわじわ低下する
という流れで、気づかないうちに「消費エネルギー<摂取エネルギー」の状態が続き、体重が増えやすくなります。
逆に言えば、「少しでも動く時間を増やす」だけで冬太りはかなり防げるということでもあります。
Q2.冬に体重が減るのは危険ですか?
原因によって「問題ない場合」と「注意が必要な場合」があります。
次のようなケースは、比較的心配が少ないと考えられます。
- 食欲は保たれている(または軽く落ちる程度)
- 活動量や筋肉量が増えている、よく歩くようになった
- 睡眠が安定して、生活リズムも整っている
一方で、
- 急に食欲が落ちた・食べられない
- 短期間で急激に体重が減った(目安として1か月で体重の5%以上など)
- だるさ・息切れ・めまい・発熱など他の症状を伴う
といった場合は、病気が隠れていることもあるため、早めに医療機関で相談をおすすめします。
Q3.冬のむくみと脂肪はどう違うのですか?
むくみは「水分」、脂肪は「エネルギーの貯金」という違いがあります。
冬は冷えや血行不良で、体が水分をため込みやすくなります。これが「むくみ」です。
- 数時間〜数日単位で体重が増減しやすい
- 指で押すとくぼみがしばらく残ることがある
- 夕方〜夜に特に強く、朝に軽くなることも多い
一方、「脂肪」は摂取カロリー過多が続くことでじわじわ増えていきます。
週〜月単位で増え続ける体重は脂肪の可能性が高く、日単位で大きく上下するのはむくみの可能性が高いと考えられます。
足を高くして休む・軽い運動・湯船につかる・塩分を摂りすぎないなどでむくみは改善しやすいので、「全部脂肪になった」と責めすぎないでくださいね。
Q4.なぜ冬は甘いものを欲しやすいのでしょうか?
日照時間の減少・寒さによるストレス・睡眠不足などが重なり、脳が「甘いもので気分を上げよう」とするためです。
特に関係しているのが、
- セロトニン:心の安定・満足感に関わるホルモン。日照不足で低下しやすい
- 睡眠の質:睡眠不足になると、食欲ホルモン(グレリン)が増えやすい
その結果、
- 甘いもの・炭水化物が無性に食べたくなる
- 「イライラするとついお菓子へ」という流れが起きやすい
対策としては、
- 朝の光を浴びる(セロトニンを整える)
- 温かいスープや味噌汁を最初に飲む
- 小腹が空いたら“甘い飲み物”より“たんぱく質+少しの糖質”にする
など、“体が落ち着く選び方”に変えていくのがおすすめです。
Q5.冬に体質改善を進めるには、何から始めるといいですか?
おすすめは「この3つから」です。
- 朝の光を浴びる(5〜15分)
体内時計とセロトニンが整い、食欲・気分・睡眠が安定しやすくなります。 - +10分だけ歩く
特別な運動よりも、「いつもの生活に10分足す」方が続きやすくNEATの底上げにつながります。 - 毎日ほぼ同じ時間に寝る・起きる
生活リズムが整うと、ホルモンのバランスが安定し、太りにくい土台ができます。
完璧を目指さなくて大丈夫です。
「できる日を少しずつ増やしていく」だけで、冬の体はやさしく変わり始めます。
参考文献・監修情報
本記事は、医療・公衆衛生・栄養学の信頼性の高い情報源をもとに執筆しています。以下は、記事内容のエビデンスとして参照した公的機関・専門機関・医学情報データベースの一覧です。
▶ 日本の公的機関・専門機関
-
厚生労働省(生活習慣・栄養・健康統計)
https://www.mhlw.go.jp/ -
国立健康・栄養研究所(NIBIOHN|栄養・身体活動データ)
https://www.nibiohn.go.jp/ -
国立精神・神経医療研究センター(セロトニン・睡眠・メンタルヘルス研究)
https://www.ncnp.go.jp/ -
Harvard T.H. Chan School of Public Health(NEAT・運動・栄養学)
https://www.hsph.harvard.edu/ -
U.S. National Library of Medicine / PubMed(医学論文データベース)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/ -
Centers for Disease Control and Prevention(CDC|身体活動・代謝・健康行動)
https://www.cdc.gov/ - 季節による体重変動(NEAT・基礎代謝・日照時間の影響)
- セロトニン・レプチン・グレリンなど食欲ホルモンの生理
- むくみ・血流・体温調整機能に関する医学知識
- 睡眠と代謝・体重コントロールの関連研究
- 生活習慣・行動科学に基づく体質改善のメカニズム
▶ 海外の専門機関・医学データベース
▶ 主な参考テーマ
※本記事は一般的な健康情報を提供するものであり、個別の医療行為・診断に代わるものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。


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