「筋トレを始めたら、前より風邪をひきやすくなった気がする…」
そんな声を、私は何度も聞いたことがあります。
同じように筋トレをしていても、
風邪を引きやすくなる人と
むしろ元気になっていく人がいます。
その“決定的な差”は、体質だけではありません。
もっと静かで、もっとシンプルな理由があるのです。
実は、筋トレそのものが免疫を下げているわけではなく、
「やり方」や「負荷のかけ方」によって、
免疫が一時的に弱ることがある──
この仕組みを知らないまま頑張りすぎてしまう人が、とても多いのです。
でも大丈夫。
正しい強度とケアさえ分かれば、筋トレはあなたの免疫の頼もしい味方になります。
体は、やさしく扱われたときこそ、本来の力をのびやかに取り戻していくからです。
この記事では、科学的エビデンスに基づき、
「免疫が下がる人と下がらない人の違い」
「免疫を守りながら筋トレを続ける方法」
をていねいに解説します。
読み終えるころには、
あなたの体が求めていた“ちょうどいい筋トレ”が自然と見えてくるはずです。
筋トレで免疫力は下がる?——誤解の元になった“ある現象”とは 🧩
「筋トレをすると免疫が下がる」——そんな噂を聞くたびに、
私は看護師として“それは少し違うんです”と伝えたくなります。
実際には、筋トレが悪いのではなく、
🚫 間違った強度・長さ・回復不足
この3つがそろったときだけ、免疫が一時的に下がってしまうのです。
その誤解の背景にあるのが、まず次の現象。
これを理解すると、あなたの筋トレと免疫の関係が“やさしく”紐解けます。
🔥 激しい運動後に免疫が一時的に弱まる「開放窓(open window)」とは?
強度の高い運動を行うと、その直後から数時間〜24時間、
免疫が一時的に弱くなる時間帯があります。
これが「開放窓(open window)」と呼ばれる現象です。
まるで、家の扉が少しだけ開いているかのように、
ウイルスが入りやすい“すき間”が生まれてしまうイメージです。
その理由は…
・免疫細胞(リンパ球)が一時的に減少する
・筋肉修復に体がエネルギーを集中させる
という体内の変化が起こるため。
ただし安心してください。
これは「強すぎる運動」をしたときだけ起こる反応です。
適度な筋トレでは、この現象はほぼ心配いりません。
📉 ストレスホルモンが免疫細胞を抑制する仕組み
激しい運動をすると、コルチゾールというストレスホルモンが急増します。
コルチゾールには、過剰になると
免疫細胞(リンパ球)を抑制する作用があります。
つまり、体はこういう状態になります:
「筋肉は鍛えられているのに、免疫の守りは弱まる」
免疫が下がるのは、筋トレのせいではなく…
強度 × 時間 × 回復不足
この3つが重なったときだけ。
だからこそ、免疫を守る筋トレは“がんばりすぎない勇気”が大切なのです。
🛡 NK細胞が低下する理由——体の“パトロール力”が一時的に落ちる
NK(ナチュラルキラー)細胞は、体の中を巡回する“免疫パトロール隊”。
ウイルスや細菌を見つけると、すぐに処理してくれる頼もしい存在です。
ところが、高強度の運動を何度も重ねると、
NK細胞が一時的に減少してしまいます。
理由は、
・筋繊維の損傷修復に免疫が集中する
・体内の炎症反応が一時的に上昇
といった複数の要因が重なるため。
その結果、
「最近、風邪をひきやすい」
と感じるタイミングが生まれるのです。
ただしこの低下は“短時間だけ”。
適度な筋トレなら、むしろNK細胞は増えることが多いので安心してください。
⚠️ オーバートレーニング症候群と免疫低下
「もっと頑張れば強くなる」
その気持ちが強い人ほど注意したいのが
オーバートレーニング症候群です。
次のような状態が続くなら要注意:
・疲労がずっと抜けない 😣
・眠りが浅い、途中で起きる 😪
・筋肉痛が長く続く 🦵
・気持ちが落ち込みやすい 😞
身体は常に“軽い炎症”にさらされ、
免疫力が大幅に低下してしまいます。
免疫は、休むことで強くなる器官。
だからこそ、トレーニングと休息のバランスは、思っている以上に大切なのです。
むしろ筋トレは免疫を高める——科学が示す“適度な運動”の力 🌱
ここまで読んでみると、
「え…筋トレって免疫に悪いだけ?」と思った方もいるかもしれません。
でも安心してください。
実は、ほとんどの人にとって筋トレは“免疫の味方”です。
その鍵となるのが、“適度な運動”。
このちょうどいい刺激こそが、免疫にとっては深呼吸のような役割を果たしてくれます。
では、なぜ適度な筋トレが免疫力を上げるのか?
その理由をひとつずつ見ていきましょう。
💓 血流改善で免疫細胞が全身を巡りやすくなる
適度な運動をすると、血流がスムーズに流れ始めます。
これは、体にとってまるで“道路が渋滞から解放される”ようなもの。
血流が良くなると…
免疫細胞(白血球)が身体中を巡回しやすくなるため、
ウイルスや細菌を早めに発見・処理してくれるようになります。
つまり、適度な筋トレは
身体のパトロール力を底上げしてくれる健康習慣なのです。
🔥 筋肉量アップで体温が上がり、免疫が働きやすくなる
筋肉は、私たちの体温を作る“あったかいストーブ”のような存在です。
筋肉が増えると…
・基礎体温が上がりやすくなる
・免疫細胞が働きやすい環境が整う
特に、平熱が低い人は、筋トレを習慣にすることで
「冷えにくい体 × 病気に負けにくい体」
という大切な土台が育ちます。
体温が1℃下がると免疫力が30%下がると言われるほど、
体温と免疫の関係は密接です。
🌿 適度な運動は“慢性炎症”を整えてくれる
「炎症」と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんが、
急性炎症は体を守るための正常な反応です。
しかし、ストレス・不眠・運動不足・食生活の乱れなどによって
“慢性炎症”が静かに続くと免疫力は低下します。
ここで役立つのが適度な筋トレ。
筋肉が動くことで抗炎症物質(マイオカイン)が分泌され、
身体の炎症バランスが整えられるのです。
つまり筋トレは、
「自分でできる天然の抗炎症ケア」とも言えます。
😌 ストレス軽減 → コルチゾール低下 → 免疫向上
運動には、心のストレスをやわらげる効果があります。
それは、脳内でエンドルフィンが増え、気持ちが安定しやすくなるためです。
ストレスが減ると、ストレスホルモンである
コルチゾールが正常化し、
結果として免疫力も回復していきます。
だからこそ、筋トレを終えたあとの
「なんとなく気分が明るい」「スッキリする」という感覚は、
心の変化だけでなく免疫にも良い影響を与えているサイン。
適度な運動は、心も体も守ってくれる最高のセルフケアです。
免疫を下げない筋トレの“最適ゾーン”とは? 🎯
筋トレは「強ければ強いほど良い」と思ってしまいがちですが、
実はその考えこそが免疫を弱らせる落とし穴です。
免疫を守るために大切なのは、
“ちょうどいい強度・ちょうどいい量・ちょうどいい休息”。
この章では、医学的に見ても「安全で効果的」とされる
免疫を守るための筋トレ基準
を、やさしくわかりやすく解説していきます。
🏋️♂️ 強度はRM60〜70%(中強度)がベスト
免疫を守りながら体を鍛えたいなら、
RM60〜70%(中強度)が最適ラインです。
RM(Repetition Maximum)とは、
「限界まで出し切ったときに持ち上げられる最大の重量」のこと。
🔎 RM60〜70%の感覚は?
・ギリギリ10〜12回できる重さ
・フォームが崩れずに続けられる負荷
・“頑張ればできる”くらいのやさしい刺激
これは免疫学的にも、
ストレスホルモンを最小限に抑えつつ筋力を伸ばせる黄金ゾーンです。
⏱ 1回は45〜60分以内が“免疫を守るライン”
トレーニングは、長くやれば良いわけではありません。
60分を超えるとコルチゾールが急増し、免疫力が落ちやすくなる
という研究がいくつもあります。
そのため、筋トレは
45〜60分以内
で終えるのがベスト。
“少し物足りない”くらいでやめるのが、実は最も長く続けられて、免疫にもやさしいのです。
📅 週2〜3回、休息日をしっかりつくる
筋肉も免疫も、休むことで強くなる——これは医学的にも正しい事実です。
週2〜3回の筋トレは
免疫を守りながら健康効果を最大化できる頻度。
逆に、毎日追い込みすぎると…
・コルチゾール増加
・慢性疲労
・睡眠の質低下
・免疫力ダウン
と、負のスパイラルに入りやすくなります。
休息は“サボり”ではなく、免疫の回復時間。
あなたを守るための、大切な投資です。
🍚 栄養不足の筋トレが免疫を下げる理由
栄養が足りていない状態で筋トレをすると、
身体は筋肉の修復に使うエネルギーを確保するために、
免疫に回すはずの栄養まで削ってしまいます。
特に不足しやすいのが…
・タンパク質(免疫細胞の材料)
・糖質(筋トレ直後のエネルギー源)
・ビタミンB群(代謝サポート)
筋トレ後は「少しの糖質+タンパク質」を補うことで、
免疫と筋肉を同時に守ることができます。
例:おにぎり+ヨーグルト / バナナ+プロテイン
😴 睡眠不足トレーニングがいちばん危険
睡眠不足の状態で筋トレをすると、
身体はすでに“疲労とストレスの上限”に近い状態。
そのまま負荷をかけると…
・免疫低下
・回復遅延
・炎症増加
・筋肉の分解(カタボリック)
最悪のコンディションが揃ってしまいます。
逆に、よく眠れた日の筋トレは、
筋力向上 × 免疫アップ × 気持ちの安定
という最高の相乗効果を生みます。
“睡眠を整えること”は、筋トレの成果を伸ばしながら免疫を守る、最強の方法です。
筋トレ後の免疫を守る食事とケア 🍽🛁😴
筋トレは「やった瞬間」がゴールではありません。
むしろ、免疫にとって大事なのはその後のケア。
筋トレ後の体は、
・エネルギーが消耗している
・筋繊維が修復を始めている
・ホルモンバランスが揺らぎやすい
という、とてもデリケートな時間帯です。
この章では、免疫を落とさず、むしろ“回復力”を高めるための
食事・腸ケア・自律神経・睡眠を総合的に解説します。
🍌 トレーニング直後に必要な栄養素(糖質+タンパク質)
筋トレ直後の30分は “回復のゴールデンタイム”。
この時間に、
✔ 糖質(エネルギー補給)
✔ タンパク質(筋肉・免疫細胞の材料)
を摂ることで、体はスムーズに修復モードに入ります。
🔸 **糖質が必要な理由**
筋トレ後はエネルギーが枯渇し、免疫細胞の働きも鈍くなります。
少量の糖質が入るだけで、免疫の負担がふっと軽くなるのです。
🔸 **タンパク質が必要な理由**
免疫細胞はタンパク質から作られます。
不足すると、体は修復材料を集められず回復が遅れます。
🌟 **おすすめの補食例**
・おにぎり+プロテイン
・バナナ+ヨーグルト
・バナナ+プロテイン
・カカオ多めのチョコ+牛乳
🌿 腸内環境を整える食材で免疫をサポート
免疫の約70%は腸に存在しています。
つまり「腸が元気=免疫が元気」なのです。
筋トレ後は体がストレスを受けやすいため、腸も少し敏感に。
ここで腸にやさしい食材をとることで、免疫力は安定します。
🌱 **おすすめ食材**
・ヨーグルト、味噌、キムチ(発酵食品)
・納豆(善玉菌のエサを作る)
・オートミール、野菜、果物(食物繊維)
・バナナ、玉ねぎ(オリゴ糖)
これらの食品は、
腸内の“善玉菌”を増やして免疫の土台を整える
頼もしい味方です。
🛁 入浴と深呼吸で自律神経をリセット
筋トレ後の体は交感神経(戦闘モード)が優位。
このままだと免疫は十分に働けません。
そこで役立つのが、入浴と深呼吸。
🛁 **ぬるめ(38〜40℃)のお風呂に10〜15分**
→ 副交感神経が優位になり、体が“回復モード”に切り替わります。
🌬 **深く長い呼吸を意識する**
→ 心拍が落ち着き、炎症をおさえる効果も。
入浴中に「ゆっくり息を吐く」ことを意識すると、
免疫は静かに元気を取り戻し始めます。
😴 睡眠を味方にして“翌日の回復力”を高める
筋トレ後の睡眠は、免疫にとって“最高の治療薬”です。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、
・筋肉修復
・免疫細胞の再生
・炎症の回復
に大きく関わります。
特に重要なのが、
寝つきの良さと深い眠り。
そのためにできることは、
・寝る90分前に入浴
・スマホや強い光を避ける
・軽いストレッチや呼吸
眠りが深くなると、翌日の“免疫の立ち上がり”が驚くほど違います。
筋トレ × 良質な睡眠 = 最強の健康習慣です。
筋トレ初心者・中高年が知っておきたい免疫の注意点 👨🦳👩🦰
筋トレはどんな年代の人にとっても大切な健康習慣ですが、
「免疫を落としやすい落とし穴」が、初心者と中高年には少しだけ多くあります。
でも大丈夫。
その特徴を知っておけば、むしろ筋トレは
“老けない体 × 病気に負けない体”を育てる最高の味方になります。
この章では、年齢や経験に応じて気をつけたいポイントを
あやのん流に、やさしく整理していきます。
⚡ 急に追い込むと免疫が落ちやすい理由
初心者さんが最もやってしまいがちなのが、
「最初から頑張りすぎる」こと。
運動経験が少ない身体は、筋肉だけでなく免疫も“初心者”。
そこに急激な負荷がかかると、
・炎症が一気に増える
・筋繊維のダメージが大きくなる
・エネルギー消耗が激しい
その結果、免疫力がぐっと下がりやすくなります。
🔸 **ポイント**
「できる範囲の少し上」くらいが最も安全で、体が伸びるライン。
焦らなくても、筋トレは続ければ必ず身体が応えてくれます。
🌙 更年期と筋トレと免疫の関係
更年期は、ホルモンバランスがゆらぎやすい時期。
この変化は、筋肉にも免疫にも影響を与えます。
・疲れやすい
・寝つきが悪い
・体がむくむ、冷える
・気分の波がある
これらは更年期ではよくある変化で、
“頑張りすぎ” に体が弱くなるサインとも言えます。
だからこそ更年期の筋トレは、
ゆっくり・ていねい・呼吸を大切に
が合言葉。
筋トレをやめる必要はありません。
むしろ適度な筋トレは更年期の不調改善にも役立ちます。
ただ、身体の声を聞きながら進めることが何より大切です。
🔄 回復力が落ちる年代のトレーニング調整法
中高年になると、若い頃より回復力がゆっくりになります。
これは自然なことで、悪いことではありません。
でも、そのまま若い人と同じメニューを続けると…
・疲労が抜けにくい
・炎症が長引く
・免疫が落ちる
・睡眠の質も下がる
といった影響が出やすくなります。
🌟 **中高年におすすめの調整ポイント**
・負荷は6〜7割でOK(RM60〜65%)
・セット数は少なめで十分
・週2〜3回+休息重視
・睡眠を“最優先のトレーニング”にする
・軽い有酸素運動も組み合わせる
大切なのは、
「細く長く続ける」ほうが免疫には圧倒的に良いということ。
一歩ずつ進む筋トレほど、体はやさしく応えてくれます。
「免疫を強くする筋トレ」ルーティン💪🌿
ここまで読んでくださったあなたは、もう十分“免疫と筋トレの仕組み”を理解しています。
あとは、「免疫を守りながら強くなる習慣」を生活の中に落とし込むだけ。
難しいことは必要ありません。
毎日の小さな行動が、あなたの体をゆっくり変えていきます。
看護師として多くの患者さんを見てきた経験から、
無理せず、安全に、そして確実に体が変わるルーティン
をまとめました。
🌬 ウォームアップで自律神経を整える
筋トレ前の体は、まだ準備が整っていません。
ここで無理に動かすとケガだけでなく免疫にも負担がかかります。
そこでおすすめなのが、“やさしいウォームアップ”。
🌿 **3〜5分だけでOK**
・深呼吸をゆっくり3回
・肩回し、首のストレッチ
・股関節まわりの軽いほぐし
・背中をゆっくり丸めたり伸ばしたり
これだけで、
・自律神経が整う
・血流が温まる
・ケガ予防になる
・免疫が働きやすい状態になる
というメリットがあります。
“心と体をやさしく起こす時間”だと思って取り入れてみてください。
🏋️♀️ 大筋群を中心に“無理のない強度”で
免疫を守りながら鍛えるなら、
大筋群(脚・胸・背中)を優先するのが鉄則です。
🌟 **おすすめメニュー(RM60〜70%)**
・スクワット
・プッシュアップ(腕立て)
・ヒップリフト
・ラットプル(自重ならタオルロウ)
筋トレ初心者や中高年の方は、まずは
10〜12回 × 1〜2セットで十分。
「もう少しできそうだけれど、ちょっと疲れる」
そのくらいが、免疫にやさしい最適負荷です。
⏰ 筋トレ後30分以内の補食ルール
筋トレ後の30分は、体が“栄養を吸い込みやすい”魔法の時間。
この時間に、
糖質+タンパク質
を少しだけ補うことで、免疫細胞と筋肉の回復が一気に進みます。
🌈 **例**
・バナナ+プロテイン
・ヨーグルト+はちみつ
・おにぎり+ゆで卵
・カカオ70%チョコ+牛乳
“ごほうびのような補食”を習慣にして、トレーニングの良い循環をつくりましょう。
🌙 夜はスマホを遠ざけ睡眠を確保
免疫を強くする筋トレに欠かせないのが、実は睡眠。
運動後の体は修復モードに入っていますが、
スマホや強い光に触れ続けると、脳が“活動モード”から抜けられません。
その結果、
・寝つきが悪くなる
・睡眠が浅くなる
・翌日の回復が遅れる
・免疫が落ちる
という負のループに入ってしまいます。
🌟 **おすすめ習慣**
・寝る1時間前はスマホを手放す
・ベッドにスマホを持ち込まない
・部屋の照明を暗めにする
・ゆっくり呼吸して気持ちを落ち着ける
“眠れる環境を整えること”は、免疫を強くする筋トレの一部。
明日のためのやさしい投資です。
よくある質問(FAQ)📝
筋トレと免疫について、よく寄せられる疑問をまとめました。
読み終えたあと、あなたの体と向き合うヒントになるようにお答えしています。
Q1. 筋トレをすると風邪をひきやすくなるのは本当ですか?
“やり方次第”で変わります。
高強度・長時間・休息不足が重なると免疫が一時的に下がります。
しかし、中強度・60分以内・十分な休息を守れば、
筋トレはむしろ免疫の味方になります。
Q2. 筋トレ後に免疫が下がる時間はどれくらい続きますか?
強度の高い運動後は、数時間〜24時間ほど
「開放窓(オープンウィンドウ)」と呼ばれる免疫の弱い時間が続きます。
その間は、人混みを避け、栄養・水分・睡眠を意識することでリスクを下げられます。
Q3. 毎日トレーニングしても大丈夫ですか?
内容によります。
・ウォーキングなど軽い運動 → 毎日OK
・筋肉痛が残る高強度 → 毎日はNG
筋トレは週2〜3回+休息日が最も免疫を守れます。
Q4. ダイエット中の筋トレは免疫に影響しますか?
“食べなさすぎ” が免疫を落とす原因になります。
カロリー制限が強いと
・タンパク質不足(免疫細胞が作れない)
・糖質不足(免疫のエネルギー不足)
が起こり、風邪をひきやすくなります。
筋トレの日はタンパク質+少量の糖質を必ず摂りましょう。
Q5. 年齢を重ねても筋トレで免疫は上がりますか?
はい。年齢に関係なく「適度な筋トレ」は免疫の維持に有効です。
中高年では、
・筋肉量の低下を防ぐ
・血流を改善する
・基礎代謝を保つ
ことがそのまま免疫の安定につながります。
強度よりも、継続と休息が何より大切です。
まとめ 🌿
筋トレと免疫の関係は、とても繊細で、とても正直です。
強すぎる刺激には弱ってしまうけれど、
ちょうどいい負荷には、驚くほど素直に応えてくれる。
この記事でお伝えしたように、免疫が下がるのは筋トレそのものではなく、
負荷のかけすぎ・回復不足・栄養や睡眠の乱れ
この 3つが重なったときだけです。
つまり、筋トレはやり方を選べば、
免疫を高め、体を温め、心まで整えてくれる最高のセルフケアになります。
🌱 **今日からできる“免疫を守る筋トレのポイント”**
・強度は RM60〜70%(中強度)でちょうどいい
・1日45〜60分以内におさえる
・週2〜3回+休息日を必ずつくる
・筋トレ後30分以内の「糖質+タンパク質」補食
・睡眠はトレーニングと同じくらい大切に
・ストレスケア(呼吸・入浴・ゆるめ時間)
体は、追い込まれるよりも、
“ていねいに扱われたとき” にこそ本来の力を発揮します。
だからどうか、自分の身体と仲良くできるペースを大切にしてください。
小さな優しい習慣を積み重ねるたび、免疫は静かに、でも確実に強くなっていきます。
あなたの明日が、今日より少しあたたかい身体でありますように。
筋トレは、そのための力強いパートナーです。
参考文献 📚
本記事の内容は、以下の公的機関・大学・専門誌などの情報を参考にしています。
すべて一般公開されており、どなたでもアクセスできます。
-
WHO|Physical activity
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/physical-activity
-
CDC|Benefits of Physical Activity
https://www.cdc.gov/physicalactivity/basics/pa-health/index.htm
-
Nieman DC. Exercise immunology: Future directions. Journal of Sport and Health Science.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095254618301005
-
Harvard Health Publishing|Exercising to Relax
https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/exercising-to-relax
本記事は、看護師としての経験と公的機関・医学的エビデンスに基づき、
「予防医療としての情報提供」を目的に作成しています。
ただし、内容はすべての方に効果や安全性を保証するものではなく、
個別の症状・体質・既往歴に応じた医療判断には該当しません。
筋トレや生活改善を行う際に、
・持病がある方
・治療中の方
・薬を服用中の方
・強い疲労や痛みが続く方
などは、必ず医師・医療専門職にご相談のうえ実施してください。
また、本記事に記載された情報に基づき生じたトラブル・損害について、
当サイトは責任を負いかねます。
健康管理は、どうかご自身の体調と相談しながら、無理のない範囲で行ってください。
あなたの体が、あなた自身にとっていちばんやさしいペースで整いますように。


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