冬の朝、布団から出た瞬間にスッと入り込んでくる冷たい空気。
その一秒だけで、体はぎゅっと縮こまり、呼吸さえ浅くなる——。
そんな小さな“冷え”を、私たちは毎日のように見過ごしてしまっています。
でも、私は看護師として多くの患者さんを見てきて知りました。
「体温が1℃下がるだけで、免疫の働きは大きく変わってしまう」ということを。
まるで、体の中の“守りのスイッチ”が静かに弱まっていくように。
風邪を引きやすい、疲れが抜けない、朝がつらい——。
その背景には、気づかれないまま進む「冷え」と「免疫」のすれ違いがあります。
でも、心配しなくて大丈夫。
体はほんの少しのあたたかさで、驚くほど力を取り戻してくれます。
この記事では、
冷えが免疫を弱らせる理由と今日からできる“体温+0.5℃”の習慣を、
科学的根拠にもとづきながら、やさしく、ていねいにお伝えします。
あなたの体が、本来のあたたかさを取り戻せますように——。
🌡️ 体温が下がると免疫力はなぜ落ちる?——科学で読む「冷え」と「免疫」
体温と免疫は、まるで寄り添う恋人同士のように深く結びついています。
どちらか一方が揺らぐと、もう一方も静かに弱っていく——。
そのすれ違いを放置すると、風邪、疲労、慢性的な不調へとつながってしまいます。
まずは、「なぜ体温が下がると免疫が落ちるのか?」という根本の仕組みをやさしく解説します。
ここを知るだけで、冷え対策の意味がぐっと腑に落ち、あなたの体への理解が深まります。
🔥 免疫細胞は“温度”に敏感に反応する
私たちの体を守る白血球(好中球・リンパ球など)は、
36.5〜37℃前後で最も活発に働くことがわかっています。
たった1℃体温が下がるだけで、
- 🌀 外敵への反応が遅くなる
- 🧭 移動スピードが低下する
- 🛡️ 攻撃力が弱まる
といった変化が生じ、免疫力は大きく低下します。
——冷える日は、体の「守り」が薄くなる日。
💧 低体温で血流が悪くなると免疫細胞が働けない
冷えは血管をキュッと縮ませ、血流を停滞させます。
血流が滞るということは、免疫細胞が“必要な場所へ届かなくなる”ということ。
イメージしてみてください。
🚒 火事が起きているのに、消防車が渋滞で現場に向かえない——。
これが冷えた体内で起こっていることです。
そのため、長く冷えているほど
風邪をひきやすい・治りにくいという状況が続きます。
⚡ エネルギー産生の低下が免疫を弱らせる
体を温めるエネルギーはATP(エネルギー分子)によって作られています。
ところが、体が冷えると代謝が落ち、ATPの産生量が低下します。
エネルギーが不足すると、免疫細胞は
“戦うための燃料”が足りなくなり、本来の力が出せません。
つまり、
冷え → エネルギー不足 → 免疫力低下
という流れが静かに進んでいきます。
これは研究でも繰り返し示されている、冷えが不調を招く根本理由です。
🧠 自律神経の乱れと免疫低下のメカニズム
体が冷えると、交感神経が優位になりやすくなります。
交感神経が高まりすぎると、体はずっと「緊張モード」のまま。
- ❄️ 血管が収縮
- 🍽️ 消化力が低下
- 😴 睡眠の質が落ちる
これらが複合的に免疫力を下げてしまいます。
冷えは、自律神経の司令塔を乱し、免疫全体のバランスを崩す。
そんな“見えない連鎖”が体で静かに起こっています。
🫶 腸が冷えると免疫の70%がダメージを受ける
腸は免疫細胞の70%が集まる場所です。
冷えてしまうと、
- 💫 蠕動運動が低下
- 🍽️ 消化吸収が悪化
- 🦠 腸内環境が乱れる
- 🛡️ 免疫細胞の働きが鈍る
といった悪影響が次々と起こります。
腸は、体の中の“小さな温泉地”のような場所。
あたたかいほど元気を取り戻し、免疫も本来の力を発揮します。
お腹を温めることは、そのまま免疫ケアになる。
多くの人が「お腹を温めると調子が良い」と感じるのも、このためです。
🔍 体温が下がっているときのサイン——あなたの体が教えてくれる変化
冷えはとても静かに進むため、気づかないうちに免疫力が落ちていることがあります。
でも、体はちゃんとサインを出しています。
その小さな変化に気づけるようになると、健康は驚くほど守りやすくなります。
ここでは、「冷えと免疫低下が同時に進んでいるとき」に現れやすい体のサインを、わかりやすく紹介します。
🧊 手足の冷え・末端の温度低下
手足が冷たいのは、血流が末端まで届いていないサイン。
これは、体温を守るために中心部に血液を集めている状態で、
「身体が冷えから身を守ろうとしている非常事態」とも言えます。
手先・足先の冷えが続くと、
- 🖐️ 気温に関係なく冷たい
- 🧦 靴下を履いても温まらない
- 💤 寝つきが悪い
といった症状につながり、免疫力にも影響します。
🤧 風邪をひきやすい・治りにくい
「最近すぐ風邪をひく」「治りにくい」——これは代表的な冷えサイン。
体温が低いと免疫細胞の働きが弱まり、外敵に対する反応が遅れます。
“弱った免疫 × 低体温” のコンビは、風邪・感染症のリスクを高めるため要注意。
とくに冬だけでなく、夏の冷房でも起こりやすいので要観察です。
😮💨 原因不明の疲労・朝つらい
「よく寝たはずなのに疲れが取れない」「朝がつらい」。
これも体温が下がっている人に多く見られるサインです。
冷えると代謝が低下し、エネルギー(ATP)をつくる力が弱まります。
すると、
- 🌙 睡眠の質が落ちる
- ⚡ 回復する力が弱くなる
- 🧠 朝のだるさが続く
といった疲労蓄積が進みます。
「疲れ」と「冷え」は、気づかれないまま互いに悪化しやすい関係です。
🌀 便秘・下痢・お腹の張りなど腸の不調
腸は温度にとても敏感な臓器。
冷えると蠕動運動が弱くなり、腸内環境も乱れやすくなります。
その結果、
- 🚫 便秘
- 💦 下痢
- 🎈 お腹が張る
- 🤢 胃腸のムカつき
など、さまざまな消化器症状へとつながります。
腸は免疫の70%を担う場所。
お腹の冷えは、そのまま免疫力に影響する重要ポイントです。
🌙 冬だけ気分が沈む“ウィンターブルー”
「冬になると気分が落ちる」「やる気が出ない」。
それは単なる季節のせいではなく、体温低下による自律神経の乱れが関係していることがあります。
冷えにより、
- 🧠 セロトニン(幸せホルモン)の働きが低下
- 😣 疲れやすくなる
- 🛌 睡眠の質が落ちる
結果として、気分の落ち込みにつながることがあります。
冬だけ不調が続く人は、メンタルではなく“体温”が原因のことも多いのです。
🍽️ 冷えを招く食べ物・生活習慣——気づかないうちに免疫を奪うもの
「特別な病気はないのに、なんとなく冷える」「体温が低めで元気が出ない」。
そんなとき、見直したいのが毎日の食べ方と生活習慣です。
冷えは気温だけでなく、「何を・いつ・どう食べるか」「どんなリズムで過ごすか」にも大きく左右されます。
ここでは、知らないうちに体を冷やし、免疫力をじわじわ奪ってしまう習慣たちをやさしく整理していきます。
🥤 冷たい飲み物・アイス・常温以下の水分
暑い季節やお風呂上がりに、キンキンに冷えた飲み物。
一口目はとても気持ちいいですが、その冷たさはダイレクトに「内臓」を冷やします。
お腹の中が急に冷えると、
- 🌀 腸の動きが鈍くなる
- 🍽️ 消化力が落ちる
- 🧊 体の芯まで冷えやすくなる
といった連鎖が起こりやすくなります。
特に、
- 一年中冷たいドリンクを飲んでいる
- お茶や水もキンキンに冷やして飲む
- 夜にアイス・氷菓子を食べる習慣がある
こんな方は、知らないうちに「腸から体温を奪っている」可能性があります。
できる範囲で、常温〜少し温かい飲み物にシフトしていくと、内側からじんわりあたたかさが戻ってきます。
🍰 糖質過多・カフェイン・アルコール
「甘いもの」「コーヒー」「お酒」は、現代人の“ホッと一息”の相棒ですが、摂り方によっては体を冷やす一因になります。
▶ 糖質過多(お菓子・白米・パン・ジュースなど)
- 血糖値が急に上がって急に下がる👉 エネルギーの乱高下で疲れやすく冷えやすい体に
- 食べ過ぎが続くと、代謝バランスも乱れやすくなる
▶ カフェイン(コーヒー・紅茶・エナジードリンクなど)
- 一時的に血管が収縮し、手足の冷えにつながることも
- 飲み過ぎると自律神経が緊張状態になり、睡眠の質も低下
▶ アルコール
- 飲んだ直後はポカポカでも、実は体の熱を外に逃がしやすくなる
- 寝る前のお酒が続くと、深い眠りが減り、回復力が低下
「全部ダメ!」ではなく、量とタイミングを意識することが大切です。
甘いものやカフェイン・お酒は、“ご褒美”として上手に付き合うイメージを持てるといいですね。
⏰ 朝食抜きで代謝が上がらない
忙しい朝、「コーヒーだけで済ませてしまう」「何も食べない」という人は少なくありません。
でも、朝食は1日の「体温スイッチ」の役割を持っています。
朝に何も食べないと、
- 🔥 代謝が上がらず、体温も上がりにくい
- 🧠 脳へのエネルギー供給が不足し、集中力が落ちる
- 😴 午前中ずっとだるさ・眠気が続く
といった状態になりやすくなります。
しっかりした朝食が難しい場合は、
- 🍙 小さめのおにぎり
- 🥚 ゆで卵や味噌汁
- 🍌 バナナ+温かい飲み物
など、「少しでも胃に入れて体温スイッチを押してあげる」意識を持つだけでも違ってきます。
🏃♀️ 過度なダイエットで筋肉量不足
体温を生み出す“発電所”のような役割をしているのが筋肉です。
特に太もも・お尻・背中などの大きな筋肉は、熱を作り出す大切な場所。
ところが、
- 極端なカロリー制限
- 炭水化物をほとんど抜く
- タンパク質不足の食生活
といった過度なダイエットが続くと、筋肉量が落ち、
「冷えやすく、疲れやすく、太りやすい」という悪循環に陥りやすくなります。
体重の数字だけを見るのではなく、
- 🍗 タンパク質を意識して摂る
- 🚶♀️ 軽い筋トレやウォーキングを続ける
など、“筋肉を守るダイエット”を心がけることが、結果的に冷えと免疫の両方を守る近道になります。
🧠 ストレスで体が冷えるメカニズム
意外かもしれませんが、ストレスも「冷え」の大きな原因のひとつです。
心配ごと・プレッシャー・人間関係の悩みなどが続くと、自律神経のうち交感神経が過剰に優位になります。
その結果、
- ❄️ 血管が収縮して、手足の冷えが強くなる
- 💤 睡眠の質が落ち、回復力が低下
- 🍽️ 食欲が乱れ、栄養バランスも崩れやすくなる
といった影響が重なり、体温と免疫がじわじわと下がっていきます。
ストレスをゼロにすることは難しくても、
- 🛁 湯船にゆっくり浸かる
- 🌿 深呼吸やストレッチで一息つく
- 📔 気持ちを書き出して整理する
など、「緊張モードをオフにする時間」を意識的に作ることで、心も体も少しずつあたたかさを取り戻していきます。
🔥 今日からできる“体温+0.5℃”の生活術——免疫を守るあたため習慣
「冷えを改善したい」「免疫を落としたくない」。
そう思ったときに大切なのは、特別なことよりも“毎日の小さな積み重ね”です。
体温は、一気に1℃上げるよりも、“+0.5℃の積み重ね”で着実に変わっていきます。
今日からできる簡単な習慣を紹介しますので、できるところから取り入れてみてください。
🥕 体を温める食事(スープ・根菜・発酵食品)
冷え改善の基本は“温かい食事を増やすこと”。
内臓が温まると、体の芯からぽかぽかし、腸の働きも元気になります。
特におすすめなのは、
- 🍲 温かいスープ(味噌汁・ミネストローネ・参鶏湯など)
- 🥔 根菜(にんじん・ごぼう・れんこん・さつまいも)
- 🌾 発酵食品(味噌・納豆・キムチ・甘酒)
根菜は火を通すと体をじんわり温め、発酵食品は腸内環境を整えて免疫をサポートします。
“冷たい → 常温 → 温かい”へ、小さなシフトを続けるだけで体は確実に変わります。
🍵 体温を上げる飲み物の選び方
飲み物は、体温に直結するもっとも手軽な“あたため習慣”です。
おすすめは、
- 🌿 白湯(さゆ)
- 🍵 生姜湯・生姜紅茶
- 🌸 ハーブティー(カモミール・ジンジャー・ルイボスなど)
反対に、体を冷やしやすいのは、
- 🧊 冷たい水・氷入りドリンク
- 🥤 清涼飲料水
- ☕ カフェインの取りすぎ
できれば、朝いちばんの白湯は習慣にしたいところ。
胃腸を優しく起こし、血流も改善し、体温が上がりやすい“1日の良いスタート”が作れます。
🚶♀️ 筋肉量を落とさない軽い運動
筋肉は体温を作り出す発電所。
激しい運動よりも、毎日の軽い運動のほうが冷え改善には効果的です。
おすすめは、
- 🚶♀️ 20分のウォーキング
- 🦵 スクワット 10〜20回
- 🧘♀️ ゆるいストレッチ
- 🪑 かかと上げ・座ったまま足踏み
筋肉が少しでも動くことで血流が改善し、体の中で“熱”を作る力が高まります。
続ければ続けるほど、“冷えにくい体質”に育っていきます。
🛁 自律神経を整える深呼吸・入浴法
冷えの背景には、ほとんどの場合自律神経の乱れが隠れています。
深呼吸や入浴は、乱れた自律神経を優しくリセットしてくれる強い味方。
▶ 深呼吸(1〜2分)
- 4秒で吸う → 6秒で吐く
- 胸ではなく“お腹”を動かす意識で
- 寝る前や朝の目覚めにもおすすめ
▶ 入浴(ぬるめのお湯)
- 38〜40℃のお湯に10〜15分
- 寝る90分前の入浴で睡眠の質アップ
- 生姜湯・バスソルトも冷え改善に◎
お風呂で温まると副交感神経が優位になり、深いリラックスが生まれます。
その後の睡眠で免疫の回復力がぐっと高まるのも大きなメリットです。
🌙 寝る前の“温めルーティン”で熟睡をつくる
体温と睡眠は密接につながっています。
寝る前の習慣を少し整えるだけで、驚くほど眠りの質が変わります。
おすすめのルーティンは…
- 🧦 足首を温めるレッグウォーマー
- 🫶 お腹をカイロで10分温める
- 🕯️ 画面を見ない時間をつくる
- 📖 温かい飲み物とゆるい読書
特に、“お腹を温める”のは即効性あり。
腸が温まり副交感神経が優位になり、眠りの質が一気に整います。
よく眠れる日は、翌朝の体温と体調がまるで違います。
睡眠は、最強の免疫ケアなのです。
🌙 女性・更年期・中高年に多い“冷えと免疫低下”の落とし穴
年齢やホルモンの変化により、体温のコントロールは変わっていきます。
特に女性は、一生を通じて体温が揺らぎやすい特徴があります。
だからこそ、冷えと免疫低下には人一倍敏感になっていただきたい。
見逃しやすいけれど、とても重要なポイントを一緒に整理していきましょう。
💐 女性ホルモンと体温の関係
女性の体温は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)に影響されます。
生理周期の中で、
- 🌷 低温期(排卵前)…体温が下がりやすい
- 🌼 高温期(排卵後)…体温が上がりやすい
という自然な波があるのですが、この変動が乱れると、
・冷えやすい
・倦怠感が取れない
・風邪をひきやすい
といった不調につながりやすくなります。
ホルモンのバランスはとても繊細。
生活リズムの乱れやストレスで、簡単にゆらいでしまうものなのです。
🔥 更年期の冷えが免疫を弱らせる理由
40〜50代に入ると、エストロゲンが徐々に減少します。
このエストロゲンには、
- 🫀 血管をしなやかに保つ
- 🔥 血流を良くする
- 🛡️ 自律神経を安定させる
といった働きがあります。
つまり、エストロゲンの低下は、
「血流が落ちる → 体温が下がる → 免疫も弱る」
という連鎖を引き起こしやすいのです。
更年期になると、
- 寒くないのに手足が冷える
- ホットフラッシュの後に急に冷える
- 疲れが抜けず、風邪を引きやすくなる
といったケースが増えるのは、このためです。
🧓 中高年で代謝が落ちると冷えやすくなる
年齢を重ねるほど、筋肉量は自然に減っていきます。
筋肉は体温を生み出す大切な“熱産生器官”。
筋肉が減ると、
- 🔥 熱が作れない
- 💧 血流が悪くなる
- ⚡ 疲れやすく回復が遅い
という状態になり、結果として慢性的な冷えにつながります。
中高年で「昔より寒がりになった」「年中冷えている」という人が増えるのは、代謝の低下が背景にあります。
軽い筋トレや歩く習慣は、この年代ほど効果が出やすい“冷え対策”です。
🧤 子ども・高齢者の低体温リスク
子どもは体温調節がまだ未熟、高齢者は調節機能が弱くなるため、冷えの影響を受けやすい世代です。
特に、
・手足がいつも冷たい
・疲れやすい
・風邪をよく引く
といった場合は、気づかないうちに体温が下がっているサインかもしれません。
子どもも高齢者も、
- 🛏️ 部屋の暖かさ
- 🍲 温かい食事
- 🧦 足元の保温
といった環境づくりが非常に大切。
「少しの温かさ」で、体力も免疫も驚くほど守られます。
📋 専門家が教える「体温チェックリスト」——あなたは大丈夫?
「自分の体温って、本当はどれくらいが正常?」「この冷えは放っておいていいの?」
そんな不安を抱える方のために、医療現場で使われる視点をもとに、体温のセルフチェックをわかりやすくまとめました。
今日のあなたの体の状態を知るきっかけとして、ぜひ活用してみてください。
🌡️ 基礎体温でわかる免疫の状態
朝、起きてすぐ測る基礎体温は、体の“内側の元気さ”を映す鏡。
女性だけでなく、男性も年齢問わず使える有効な指標です。
目安としては、
- 36.5℃前後:免疫が安定しやすい
- 36.0℃台前半:冷え・疲労が起きやすい
- 35℃台:免疫の働きがかなり落ちている可能性
「最近風邪をひきやすい」「なんとなく元気が出ない」というときは、まずは1週間の基礎体温を測ってみるのがおすすめです。
体温は、体と心の“今”を教えてくれるやさしい指標なのです。
🍁 季節による体温変動の見方
体温は季節によってゆるやかに変化します。
その変化に気づけると、冷え対策がぐっとやりやすくなります。
- 🌸 春:体温が上がりやすく活動量も増える時期
- ☀️ 夏:冷房で“内臓の冷え”が増えやすい
- 🍁 秋:気温差で体温調節が乱れやすい
- ❄️ 冬:血流が落ち、最も冷えやすい季節
重要なのは、「いつもより体温が0.3〜0.5℃低い日が続いていないか」を見ること。
この小さな低下こそ、免疫の乱れが始まっているサインなのです。
📝 1週間の生活でチェックしたい5つのポイント
体温は、日々の習慣や心の状態の影響を大きく受けます。
そこで、専門家として「ここだけは見てほしい」という5つの指標をまとめました。
🔍 1週間のチェックポイント
- ① 🧊 手足の冷えが続いていないか
- ② 😮💨 疲労感・朝のだるさが強くなっていないか
- ③ 🌀 便秘・下痢など腸の不調が続いていないか
- ④ 😴 睡眠の質が落ちていないか
- ⑤ 🥤 冷たい飲み物・甘いものの量が増えていないか
3つ以上当てはまれば、「体温が下がり始めているサイン」かもしれません。
🏥 体温が低い人が受けるべき医療相談のタイミング
冷えは生活習慣で改善できることが多いですが、医療が必要なケースもあります。
次のような場合は、早めに相談することをおすすめします。
- ❗ 35℃台が続く
- ❗ 寒くないのに震えや冷汗が出る
- ❗ 動悸・めまい・倦怠感が強い
- ❗ 甲状腺の異常を疑う症状(むくみ・気力低下・抜け毛など)
- ❗ 急激な体温低下がある
特に、甲状腺機能低下症や貧血などが隠れている場合もあるため、
気になるときは、迷わず医療機関に相談してください。
あなたの体のサインを大切にすることは、未来の健康を守るいちばんの近道です。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 平熱が低いと免疫力も低いの?
はい。一般的に体温が低いほど免疫細胞の働きが鈍くなり、風邪や感染症にかかりやすくなります。特に36.0℃を下回る日が続く場合は、生活習慣の見直しや医療相談がおすすめです。
Q2. 冷え性は病気なの?治るの?
冷え性自体は病名ではありませんが、放置すると免疫・自律神経・代謝の低下につながります。生活習慣を整えることで改善できるケースが多く、食事・運動・睡眠の見直しが効果的です。
Q3. 冬になると気分が落ち込むのは体温のせい?
一因として体温低下が関係することがあります。冷えにより自律神経やホルモンのバランスが乱れ、メンタルにも影響するためです。冬季うつ(SAD)も併発しやすいので注意が必要です。
Q4. 体温を上げるだけで本当に免疫が強くなる?
はい。免疫細胞は36.5~37℃前後で最も活発に働きます。血流改善・代謝向上・腸機能アップにより、免疫全体が底上げされます。小さな生活習慣の見直しでも効果が期待できます。
Q5. 低体温が続いたら病院に行くべき?
35℃台が続く・むくみ・強い倦怠感・気力低下がある場合は、甲状腺疾患や貧血が隠れていることがあります。早めに内科または婦人科に相談してください。
✨ まとめ —— あなたの体は、あたたかさで強くなる
“冷え”は、気づかれないまま心と体をゆっくり弱らせていく小さなサイン。
けれど同時に、今日から始められるやさしい自己ケアのチャンスでもあります。
体温が+0.5℃上がるだけで、血流が整い、腸が元気になり、免疫が本来の力を発揮し始めます。
それは決して特別なことではなく、
- 🍵 温かい飲み物を選ぶ
- 🍲 体にやさしい食事を心がける
- 🚶♀️ 少しだけ歩く・軽く体を動かす
- 🛁 ぬるめのお風呂でホッとする
そんな「小さなあたため」の積み重ねが、あなたの未来の健康を守る大きな力になります。
冷えているのは、あなたが弱いからではありません。
忙しさや気配りの中で、自分を後回しにしてきたからこそ起きた“心と体のサイン”なのです。
だからどうか、今日からほんの少しだけ、自分をあたためてあげてください。
そのやさしさは、必ずあなたの体に返ってきます。
あなたが健やかで、心地よい毎日を過ごせますように。
あたたかさが、あなたの免疫と未来をそっと守ってくれますように——。
📚 参考文献リスト
-
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)
「体温と免疫機能の関係」
https://www.qst.go.jp/
-
国立健康・栄養研究所
「冷えと生活習慣の関連」
https://www.nibiohn.go.jp/
-
ハーバード大学医学部(Harvard Health Publishing)
「How the immune system works」
https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/how-to-boost-your-immune-system
-
Johns Hopkins Medicine
「Body Temperature and Regulation」
https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/hypothermia
-
PubMed Review
「Body temperature and immune function」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
-
日本産科婦人科学会
「女性ホルモンと体調の変化」
https://www.jsog.or.jp/
※すべて2025年時点でアクセス可能な公的機関・医学部・国際機関・研究機関のページです。
本記事の内容は、医療従事者としての知識と信頼性の高い情報源にもとづき、
一般的な健康情報・セルフケアの参考として提供しているものです。
以下の点にご注意ください。
- 本記事は、特定の疾患を診断・治療・予防するものではありません。
- 体調に異変がある場合、また低体温が続く場合は、必ず医療機関をご受診ください。
- 症状には個人差があり、すべての方に同じ効果を保証するものではありません。
- 薬機法・医療広告ガイドラインに基づき、効果効能を断定する表現は避けています。
あなたの大切な体を守るためにも、気になる症状は早めの相談をおすすめします。
本記事が、日々のセルフケアを見直す小さなきっかけになれば幸いです。


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