寒い季節の「起きられない」を卒業|今日からできるあたたかい朝習慣

睡眠

冬の朝。
アラームが鳴っているのに、布団のぬくもりが恋しくて、
もう少しだけ…と目を閉じてしまう。

手足はひんやり硬く、身体はまるで眠りの底に引き戻されるよう。
「起きなきゃ」と思うほど、心と身体はそっと抵抗してきます。

──そんな自分に、少し罪悪感を抱えていませんか?

でも、冬に朝がつらくなるのは、あなたが怠けているからではありません。
寒さ、光の弱さ、体温の立ち上がり、自律神経の揺らぎ。
冬という季節は、身体のリズムをそっと変えてしまうのです。

だからこそ、冬は “ゆっくりでいい”。
ただ、身体が春へ向かう準備をしているだけなのです。

今日は、そんな冬の朝をやさしくほどきながら、
寒い季節でも無理なく続けられる“あたたかい朝習慣”をお届けします。

小さな一歩が、きっとあなたの未来を明るく照らしてくれます。

  1. なぜ冬は“朝つらい人”が増えるのか?|季節が身体に与える影響
  2. 【原因①】体温が上がりにくい“冬の身体”|覚醒スイッチが入らない仕組み
      1. ■ 深部体温が上がらないと、なぜ目が覚めないの?
      2. ■ 夜の過ごし方で“翌朝の目覚め”が変わる
  3. 【原因②】日照時間の短さがもたらす“体内時計のずれ”
      1. ■ 冬の光不足が引き起こす“眠気の正体”
      2. ■ “起きられない冬”をつくる体内時計のずれ
  4. 【原因③】冬季うつ(季節性情動障害)の可能性も|心のエネルギー低下に気づく
    1. ■ 冬季うつは「心のエネルギー不足」から始まる
    2. ■ 冬季うつに見られやすい特徴
    3. ■ こんなときは受診を考えて
  5. 【原因④】寝室環境の“寒暖差”が睡眠の質を下げてしまう
    1. ■ 冬の寝室が冷えると眠りが浅くなる理由
    2. ■ 冬の寝室は何度が最適?
    3. ■ 朝の頭痛やだるさは寝室の“寒暖差”が原因のことも
    4. ■ 光の入り方も眠りに影響する
  6. 【原因⑤】冬は自律神経のバランスが乱れやすい|血管収縮と血圧変動
    1. ■ 寒冷刺激が“交感神経”を刺激する
    2. ■ 血流低下が朝の倦怠感を生む
    3. ■ 頭痛・立ちくらみが冬に増える理由
    4. ■ 自律神経を守る冬の朝の工夫
  7. 【今日からできる】冬の朝を軽くする“小さな習慣”10選
  8. それでもつらい朝が続く時は|受診の目安
    1. ■ 受診を検討したいサイン
    2. ■ 相談できる診療科
  9. まとめ
  10. FAQ|冬の朝についてよくある質問
  11. 情報ソース・参考文献

なぜ冬は“朝つらい人”が増えるのか?|季節が身体に与える影響

冬になると、「どうしてこんなに朝がつらいんだろう?」と感じる人が一気に増えます。
でも、それはあなたの気力や根性の問題ではありません。
実は、“冬という季節そのもの”が身体のリズムを静かに変えているからなのです。

私たちの身体は、季節の変化にとても敏感です。
気温・湿度・日照時間──そのすべてが自律神経、ホルモン、体温のコントロールに影響を与えます。

特に冬は、「覚醒しにくい状態」が起こりやすい季節。
その背景には、次の3つの要因があります。

  • ① 体温が上がりにくい
    → 深部体温が上がらないため、目覚めスイッチが入りにくい
  • ② 寒さで血流が低下
    → 筋肉がこわばり、身体の動き出しが遅くなる
  • ③ 日照時間の短さ
    → 体内時計が後ろにずれ、朝が“まだ夜”のように感じてしまう

特に大きいのは光の不足です。
日照時間が短くなると、

  • 睡眠ホルモン「メラトニン」が長く分泌される
  • コルチゾール(目覚めホルモン)が立ち上がらない

つまり冬の朝は、
「夜の力がまだ強く、朝の力が弱い」──そんな状態になっているのです。


だからこそ、布団から出るのがつらいのは当たり前。
あなたの身体はちゃんと四季に寄り添って生きています。

つらい朝を責めなくていい。
まずは、

「冬の身体には、冬のリズムがあるんだ」と認めてあげること。

その小さな理解が、少しずつあなたの朝を軽くしていきます。

【原因①】体温が上がりにくい“冬の身体”|覚醒スイッチが入らない仕組み

人の身体は、「深部体温が上がること」を合図に目覚めへ向かっていきます。
けれど冬は、この体温の立ち上がりがどうしても鈍くなり、朝の覚醒スイッチが入りにくい状態になります。

その理由は、とてもシンプルで、とても自然なこと。

  • 寒さで血流が悪くなる
    → 血液が温度を運びにくくなり、筋肉や内臓の温度が上がりにくい
  • 身体が冷えている
    → 目覚めた瞬間から倦怠感・関節のこわばりを感じやすい
  • 動き出すまでに時間がかかる
    → 意識は起きていても、身体が“まだ眠っている”ような状態に

冬の朝に「体がついてこない…」と感じるのは、意志の弱さではなく、
“冬の身体”がゆっくり立ち上がろうとしているだけなのです。


■ 深部体温が上がらないと、なぜ目が覚めないの?

深部体温は、身体の「エンジンの火」みたいなもの。
これが上がると、交感神経が働き、脳も身体も“動く準備”に入ります。

しかし冬は、

「冷え → 血流低下 → 深部体温が上がらない → 覚醒しにくい」

という悪循環が起こりやすく、朝がつらく感じてしまうのです。


■ 夜の過ごし方で“翌朝の目覚め”が変わる

実は、朝の体温の上がりやすさは
夜の過ごし方で大きく変わります。

  • 夜に湯船へ浸かる
    → 深部体温が自然に下がり、質の良い睡眠へ
  • 寝る前に軽いストレッチ
    → 血流が整い、翌朝の体温立ち上がりがスムーズに

特に入浴は、冬の目覚めを助ける大切なケア。
40℃前後のぬるめの湯にゆっくり浸かると、深部体温の「上げて→下げる」の波がスムーズに整い、翌朝の覚醒にもつながります。

冬の朝がつらいのは、あなたがダメだからではなく、
身体が“冬モード”に入っているだけ。

まずはその自然な反応をやさしく受け入れることから、朝は少しずつ軽くなります。

【原因②】日照時間の短さがもたらす“体内時計のずれ”

冬になると、多くの人が感じる「朝、起きた気がしない」「眠気が抜けない」という感覚。
その大きな原因は、実は “光” の不足 にあります。

人の身体は「光」を合図に、朝と夜を判断しています。
ところが冬は日の出が遅く、日中も日差しが弱いため、
身体が朝を正しく認識できないという現象が起きやすいのです。


■ 冬の光不足が引き起こす“眠気の正体”

冬の朝、カーテンを開けても「うす暗い」と感じることはありませんか?
実は、この光の弱さがあなたの体内時計をゆっくり狂わせてしまいます。

  • 日の出が遅い → 体内時計が「まだ夜」と勘違い
  • 日照時間が短い → 朝リセットされない
  • 結果:眠気が強く、起きても意識がぼんやり

なかでも重要なのが、光によってコントロールされる2つのホルモン。

  • ● メラトニン(眠りホルモン)
    光が弱いと長く分泌され続け、朝になっても眠気が残る
  • ● コルチゾール(目覚めホルモン)
    光がないと分泌の立ち上がりが弱く、起きるためのエンジンがかからない

つまり冬の身体は、

「眠りの力が強すぎる × 目覚めの力が弱すぎる」

というダブルパンチを受けている状態なのです。


■ “起きられない冬”をつくる体内時計のずれ

体内時計が後ろにずれると、朝の眠気だけでなく、

  • 夜寝つけない
  • 朝ぼーっとする
  • 日中の集中力が落ちる
  • 夕方にどっと疲れる

といった不調にもつながります。
冬の「なんとなく不調」の多くが、実は光の不足による体内時計の乱れから来ているのです。

だからこそ、冬の朝はいつも以上に「光を取り込む工夫」が大切。

冬の光は弱い。だから、意識して“浴びる時間”を作ってあげる。
それだけで、あなたの朝のエンジンはぐっとかかりやすくなります。

【原因③】冬季うつ(季節性情動障害)の可能性も|心のエネルギー低下に気づく

「冬になるとどうも元気が出ない…」
「朝、起きようと思っても体も心も動かない…」

そんな状態が毎年のように繰り返される場合、
冬季うつ(季節性情動障害:SAD)の可能性があります。

冬季うつは決して珍しいものではありません。
特に日照時間の短い地域に住む人ほど発症しやすいと言われています。

これはあなたの性格の弱さではなく、
「光」と「脳の働き」の関係によって起こる、れっきとした医学的な反応なのです。


■ 冬季うつは「心のエネルギー不足」から始まる

冬季うつでは、脳内のセロトニンが低下しやすくなります。
セロトニンは「心の安定」をつくる大切なホルモン。

光が不足すると、セロトニンを作る働きが弱まり、

  • 気分の落ち込み
  • やる気が出ない
  • 眠気がとれない
  • 朝起きられない

といった「心のエンジンがかからない」状態が続きます。

身体の問題でもあり、脳の反応でもある。
だからこそ、あなたが悪いわけではないのです。


■ 冬季うつに見られやすい特徴

冬の不調の中でも、以下の特徴が複数当てはまる場合は要注意です。

  • 甘いもの・炭水化物への強い渇望
  • 過眠(10時間以上寝ても眠い)
  • 疲労感・だるさが続く
  • 気分の落ち込みが強い
  • 集中力が低下する
  • 例年、冬だけ悪化し春になると改善する

冬季うつの特徴は、「眠くなる」こと。
一般的なうつ病の「不眠」とは逆のサインが出ることも多いのです。


■ こんなときは受診を考えて

次の状態が続く場合は、専門医への相談をおすすめします。

  • 朝起きられない日が続き、生活に支障が出ている
  • 気分の落ち込みが2週間以上続く
  • 過食・過眠がコントロールできない
  • 仕事・家事・育児が手につかなくなってきた

かかる診療科は、
心療内科・精神科・メンタルクリニック などです。

冬季うつは適切に対処すれば改善が期待できます。
無理に「がんばらなきゃ」と抱え込まず、
医師に相談することもあなた自身を守る立派なセルフケアです。


冬に心が沈むのは、あなたのせいじゃない。
光の不足が“心のエネルギー”をそっと奪ってしまうだけ。
気づくこと、ゆるやかに整えること──それが冬の心を守る第一歩です。

【原因④】寝室環境の“寒暖差”が睡眠の質を下げてしまう

「しっかり寝たはずなのに、朝から体が重い…」
「起きた瞬間、頭がぼーっとする」

そんな冬特有の“朝のだるさ”は、実は寝室の環境が大きく関係しています。

冬は気温が下がることで、睡眠の質そのものが低下しやすくなる季節。
特に、寝室が冷えすぎていると、知らないうちに浅い睡眠が増えてしまうのです。


■ 冬の寝室が冷えると眠りが浅くなる理由

人の身体は、寝ている間に深部体温を下げながら眠りの深さを作ります。
ところが冬は、室温と体温の差が大きすぎると、身体が寒さに反応して

  • 筋肉を無意識に緊張させる
  • 体を温めようとして交感神経が働く
  • 寝返りが増える(=眠りが浅くなる)

という状態が起きます。

その結果、

「眠ったのに回復していない」
「朝からだるい」

といった冬特有の朝の不調につながってしまうのです。


■ 冬の寝室は何度が最適?

眠りの質が保たれやすい寝室の温度は、

16〜19℃前後(湿度40〜60%が理想)

とされています。

「えっ、もっと暖かくしたほうがいいんじゃない?」
と思われがちですが、暖房を強くしすぎると乾燥やのぼせが起き、逆に眠りが浅くなることも。

おすすめは、

  • 暖房は弱めで“切らずに”つける(急激な温度差をなくす)
  • 寝る1時間前に寝室を事前にあたためておく
  • 湿度40〜60%を加湿器でキープする
  • 足元を冷やさない寝具を選ぶ

この「適度なあたたかさ」を保つだけで、翌朝のスッキリ感が大きく変わります。


■ 朝の頭痛やだるさは寝室の“寒暖差”が原因のことも

冬の朝に感じる

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 首の強いこわばり

これらも、実は夜中に体が冷えていたサインであることが多いのです。

寝室が寒すぎると、身体は血管を収縮させて熱を逃がさないようにします。
この状態が長く続くと、血流が悪化して朝の頭痛やだるさにつながることもあります。

つまり、

「冬の朝の不調の多くは、前日の “寝室環境” がつくっている」

ということなのです。


■ 光の入り方も眠りに影響する

冬は朝日が弱いため、起きる直前に光が十分に入らないと、身体は「まだ夜」と感じてしまいます。

  • 早朝にまぶしすぎる → 浅い睡眠の原因に
  • 光が弱すぎる → 目覚めが悪くなる

おすすめは、

  • 遮光カーテンではなく“ほどよい採光”のカーテンにする
  • タイマーで照明を起床前に少しずつ明るくする
  • 光目覚まし時計を使う

光の入り方を整えるだけで、冬の朝の目覚めは驚くほど軽くなります。


冬の寝室は、あなたの睡眠の“質”を左右する大切な場所。
少しの工夫で、朝の心と身体はふっと軽くなります。

【原因⑤】冬は自律神経のバランスが乱れやすい|血管収縮と血圧変動

冬になると、理由もなく「朝からしんどい」「動き出すのがつらい」と感じる人が増えます。
その背景には、寒さによる自律神経の乱れが隠れていることがあります。

自律神経は、体温・血圧・心拍・呼吸など、私たちが意識しなくても動いている身体の機能をコントロールしています。
ところが冬は、この自律神経にとって負担が大きい季節なのです。


■ 寒冷刺激が“交感神経”を刺激する

冬の冷たい空気に触れると、身体は熱を逃さないように血管をぎゅっと収縮させます。
これが、自律神経のうち交感神経(アクセル役)を急激に刺激します。

  • 血管が収縮 → 血流が低下
  • 体温が下がる → さらに冷えやすくなる
  • 筋肉が固まる → こわばり・肩こり・頭痛が起きる

このように、冬は身体が常に緊張状態になりやすいのです。

すると朝の目覚めも重く、

「起きたいけれど、身体がついてこない」

という状態が起こりやすくなります。


■ 血流低下が朝の倦怠感を生む

血流が悪くなると、身体のすみずみまで酸素や栄養が届きにくくなり、

  • 強い倦怠感
  • 手足の冷え
  • 頭が働かない感覚
  • 立ちくらみ・ふらつき

といった症状が出やすくなります。

特に朝は、夜の休息モード(副交感神経優位)から
日中の活動モード(交感神経優位)へと切り替える時間帯。

その切り替えがうまくできないと、

「朝だけ調子が悪い」「午前中ずっとぼんやりする」

という冬特有の不調が起きます。


■ 頭痛・立ちくらみが冬に増える理由

自律神経の乱れは、頭痛や立ちくらみの一因にもなります。

  • 血管が縮む → 血流不足で頭痛が起きる
  • 血圧が乱高下する → 立ちくらみが起こる
  • 首・肩のこわばり → 緊張型頭痛につながる

特に寒い朝、布団から急に立ち上がると
めまい・ふらつきを感じる人は少なくありません。

これは身体が温まっていないまま急に動き、
血圧調整がうまくできないことで起こるものです。


■ 自律神経を守る冬の朝の工夫

自律神経は小さな刺激にも反応しますが、逆に
小さな工夫で整いやすいという性質があります。

例えば、

  • 布団の中でゆっくり手足を動かしてから起きる
  • 起きる10分前に暖房のタイマーをセットする
  • 首・お腹・腰を冷やさないようにする
  • 朝いちばんの30秒深呼吸でスイッチを切り替える

これだけでも、朝のしんどさはぐっと軽くなります。

冬の自律神経は、ちょっとした寒さで揺らぎやすい。
だからこそ、あなたの身体に“あたたかさ”を積み重ねてあげてくださいね。

【今日からできる】冬の朝を軽くする“小さな習慣”10選

冬の朝を変えるのは、特別なことではありません。
ほんの少しの「あたたかさ」を日常に足していくだけで、
朝のつらさはゆっくりとほどけていきます。

ここでは、今日から無理なく始められて、
“冬の身体”にやさしく寄り添う10の習慣をご紹介します。


① 起きたらすぐカーテンを開ける

冬の弱い光でも、体内時計をリセットするには十分です。
朝の光はコルチゾール(目覚めホルモン)を自然に増やし、眠気を和らげてくれます。

可能なら窓際で1〜2分深呼吸すると、さらに効果的。


② タイマー暖房で起床前に部屋を暖める

「寒い…」と感じるだけで、自律神経は緊張モードに切り替わります。
暖房を起きる10〜15分前にONにしておくと、布団から出る第一歩が劇的に軽くなります。


③ 湯たんぽ・電気毛布で体温の立ち上がりを助ける

深部体温が上がらないと、脳も身体も“目覚め”の準備ができません。
布団の中が適度に温かいだけで、朝のスイッチが入りやすくなります。

足元だけ温めると睡眠の質も向上します。


④ 朝の白湯で内側から温める

冷えた身体は血流が弱く、重だるさや眠気が残りやすい状態。
朝いちばんの白湯は胃腸をゆっくり目覚めさせ、自律神経を整える効果があります。

コーヒーの前に白湯を1杯、が理想。


⑤ 3分だけ“ゆるストレッチ”

布団の中で足首を回したり、肩をゆっくり回すだけでもOK。
筋肉がほぐれて血流が上がり、深部体温も上がりやすくなります。

「3分だけ」と思うと続けやすい習慣です。


⑥ 朝食で血糖値を安定させる(タンパク質+温かい汁物)

冬は血糖値が乱れやすく、朝のだるさや眠気を悪化させることも。
朝食に「タンパク質(卵・納豆・ヨーグルトなど)」+「温かい汁物」を加えるだけで、体温の立ち上がりが安定します。

特に「温かい味噌汁」は冬の朝の名サポーター。


⑦ 夜の入浴(深部体温コントロール)

夜にしっかり深部体温を上げておくと、眠るときに自然に下がり、質のよい睡眠に。
その“体温の波”が翌朝のスムーズな覚醒につながります。

40℃前後のぬるめのお湯に10〜15分がおすすめ。


⑧ 寝室の湿度調整(40〜60%)

湿度が低いと呼吸や皮膚の乾燥が進み、眠りが浅くなります。
加湿器や濡れタオルを使って、40〜60%を意識しましょう。

「乾燥してる気がする…」と感じたときには、すでに湿度は30%台のことが多いのです。


⑨ 光目覚まし・照明を活用する

冬は日光が弱いため、起きる時間に十分な光が届かないことが多くあります。
光目覚ましやタイマー照明で“徐々に明るくする”だけで、体内時計のリズムが整い、起きる負担が減ります。


⑩ 冬季うつ予防の“朝散歩”

太陽の下を10分歩くだけで、セロトニン活性+体内時計リセットが一度に叶います。
外に出るのがつらい日は、窓辺で日光を浴びるだけでも十分です。

「朝の外気は冷たいけれど、心は温まる」──そんな感覚が、あなたの朝を支えてくれます。


冬の朝は、あなたに優しくしてあげる時間。
大きな努力はいりません。
小さな“あたたかい習慣”が、未来のあなたを静かに変えていきます。

それでもつらい朝が続く時は|受診の目安

冬の朝がつらいのは、とても自然なこと。
小さな習慣で少しずつ軽くなることも多いですが、
中には専門家に相談したほうが安心できるケースもあります。

ここでは、深く踏み込みすぎず、
「こんな時は一度受診を考えてもいい」という目安だけご紹介します。


■ 受診を検討したいサイン

  • 朝起きられない日が長く続いている
  • 気分の落ち込みが2週間以上続く
  • 過眠・食欲の変化などが強く出て日常生活に影響している
  • 季節が変わるたびに似た不調を繰り返している

これらは、冬季うつ(季節性情動障害)やストレス、睡眠リズムの乱れなど、
専門家の視点で整えると安心できるサインです。


■ 相談できる診療科

  • 心療内科・精神科(気分の落ち込み・冬季うつが疑われる場合)
  • 内科(貧血・甲状腺の不調・睡眠障害が気になる場合)

どちらに行けばいいかわからない時は、
まずはかかりつけ内科に相談するとスムーズです。


「つらい朝が続く」というサインは、身体からの小さなSOS。
気になる時は、早めに専門家の力を借りてみてください。
診療は“最後の手段”ではなく、あなたを守るひとつの選択肢です。

まとめ

冬の朝は、どうしてもつらくなるもの。
それはあなたが弱いからでも、怠けているからでもありません。

寒さ、光の弱さ、体温の立ち上がり、自律神経のゆらぎ──。
あなたの身体は、季節に寄り添いながら、一生懸命リズムを保っています。

だから、冬の朝は“ゆっくりでいい”のです。


■ 冬のあなたは、決して止まっているわけじゃない

自然界が静かに力を蓄えるように、
あなたの身体もまた、春に向けてエネルギーを整えているだけ。

冬の朝に動けないときは、
「私は季節の中で生きているんだ」と思い出してみてください。

その一言が、心に余白をつくり、肩の力をそっと抜いてくれます。


■ 小さな習慣は、あなたを裏切らない

今日できることを、ひとつだけでいい。
光を浴びる、部屋を少し温める、白湯を飲む、深呼吸をする──。

その小さな積み重ねが、未来のあなたを確かに支えてくれます。

季節に合わせて、自分をていねいに扱うこと。
それこそが、健康を育てるいちばんやさしい方法です。


冬は、あなたに少し立ち止まる勇気をくれる季節。
どうか焦らず、無理をせず、あたたかさをひとつずつ増やしていきましょう。

今日を大切にするあなたは、きっと明日のあなたを救っています。

FAQ|冬の朝についてよくある質問

寒さによって血流が低下し、深部体温が上がりにくくなるためです。
深部体温は“覚醒スイッチ”の役割を持つため、身体が冷えていると目覚めにくく感じます。

日照時間が短くなることで、眠りホルモン「メラトニン」の分泌が長く続くためです。
光の刺激が不足すると体内時計が後ろにズレ、朝の眠気が強く残ります。

はい。光目覚ましは体内時計をリセットする“朝の光刺激”を人工的に作り出すため有効です。
特に冬は朝の光が弱いため、起きる負担を軽減してくれます。

冬季うつは気分の落ち込み・過眠・甘いものへの渇望など精神症状が強く出ます。
一方、冬バテは身体の重さ・だるさが中心で、精神的な変化は少ない傾向にあります。

基本は「起きたい時間の7〜8時間前」を目安に。
冬は眠気が強くなりやすいので、30分ほど早めに寝ると朝が軽くなります。

質の良い睡眠がとりやすいのは16〜19℃前後です。
乾燥を防ぐため、湿度40〜60%をキープしましょう。



情報ソース・参考文献

本記事の内容は、以下の公的機関・専門機関が発行する資料・ウェブサイトを参考に構成しています。

※本記事は上記の公的情報・専門資料をもとに、看護師としての臨床経験と予防医療の視点から、一般の方向けにわかりやすく再構成したものです。
個々の症状や体調については、自己判断に頼りすぎず、必要に応じて医療機関や専門家にご相談ください。



コメント

タイトルとURLをコピーしました