夜、湯船に身体を沈めた瞬間。
張りつめていた肩がゆるみ、心の奥で固まっていたものがすっとほどけていく。
「最近、なぜか太りやすくなった気がする…」
そうつぶやく人の多くは、食べすぎでも運動不足でもなく、
“日々の疲れ”と“ストレス”に、身体が静かに飲み込まれてしまっているのです。
そんな中…
痩せる人がこっそりやっているのは、意外にも――
「10分のお風呂時間」を整えるだけ。
体温が上がり、血流がめぐり、自律神経が落ち着くとき、
身体は何も言わなくても“痩せやすいモード”へ切り替わります。
これは魔法でも努力でもありません。
医学的にも、深部体温・ホルモン・代謝が整うことで説明できる、
“誰でもできる入浴ルーティンの威力” なのです。
今日からすぐできて、続けるほど身体が変わっていく。
そんな「知らなきゃ損」な入浴習慣を、やさしく、わかりやすく紐解いていきます。
入浴はなぜダイエットに効くのか?|「汗」ではなく“めぐり”が鍵
「お風呂に入れば汗をかいて痩せる」——そんなイメージを持つ方は少なくありません。
汗は“体温を下げるための水分”であって、脂肪ではありません。
では、お風呂がなぜダイエットに効くのか?
その答えは、目には見えない身体の「めぐり」にあります。
身体の奥から温まることで、代謝・ホルモン・神経のすべてが静かに整い始めます。
脂肪が燃える準備は、汗ではなく「めぐり」がつくるのです。
✔「汗をかけば痩せる」は誤解
汗の量=痩せた量ではありません。
たとえ1kg体重が減っても、それはほぼ「水分」。
飲めばすぐに戻ります。
むしろ、汗をかきにくい体=冷えている体。
冷えていると、血流も代謝も落ち、脂肪が燃えにくい“節電モード”に入ってしまいます。
汗の量ではなく、どれだけ深部体温が上がったかがダイエット効果のカギ。
✔ 温熱作用による基礎代謝UP
体温が上がると、体内の化学反応を進める“酵素”がいきいき働きはじめます。
その結果、呼吸・循環・消化などの生命活動に使われるエネルギー量が増え、基礎代謝が自然と上昇します。
🌡 体温が1℃上がると、基礎代謝は約13%上昇するといわれています。
つまり、湯船に浸かるだけで“軽いウォーキングをした”ような代謝スイッチが入るのです。
✔ 代謝が落ちる原因は「ストレス」と「冷え」
現代の多くの人が、食べすぎではなく、ストレスと冷えで代謝を落としている事実を知っていますか?
・ストレスで自律神経が乱れる
・緊張で筋肉が硬くなる
・血流が悪くなり、内臓が冷える
この“冷えと緊張の連鎖”こそ、太りやすい身体の正体。
・筋肉がゆるむ
・血流が回復する
・副交感神経が優位になる
→ この流れが“痩せるめぐり”を作ってくれます。
つまり、お風呂はただ“温まる”だけの習慣ではなく、
身体を痩せやすい方向にリセットする、毎日のセルフケアなのです。
入浴で体温が上がると起きる“3つの脂肪燃焼スイッチ”
湯船に浸かると、じんわりと身体の奥まで温かさが広がっていきますよね。
実はそのとき、あなたの体の中では、脂肪が“使われやすくなる準備”が着々と進んでいます。
ここでは、医学的にも裏付けられている
「脂肪燃焼スイッチが入る3つの変化」
をやさしく紐解いていきます。
まだ運動していなくても、身体は確かに「燃えやすい方向」に切り替わり始めます。
深部体温が上がる → 代謝が一気に活性化
深部体温(体の中心の温度)が上がると、体内のミトコンドリアが活発になり、
脂肪をエネルギーに変えるスピードが加速します。
これは運動して筋肉が温まったときと同じ作用。
つまり、運動が苦手な人でも「代謝のスタートライン」に立てるということ。
・酵素が働きやすくなる
・呼吸・循環がスムーズになる
・基礎代謝が底上げされる
→ まさに“痩せる準備OK”の状態。
血流がめぐり、脂肪酸がスムーズに動き出す
脂肪はただそこにあるだけでは燃えません。
「脂肪酸」として血流に乗り、全身の細胞に届けられることでエネルギーとして使われます。
入浴で血管が広がり血流がよくなると、
脂肪酸が運ばれやすくなり、脂肪の“運搬効率”が上がります。
この“めぐり”こそ、入浴ダイエットの本当の力です。
筋肉の緊張がゆるみ、エネルギー効率が改善する
ストレスや長時間の同じ姿勢で、筋肉は知らず知らずのうちにガチガチになります。
筋肉が硬い状態は、血流も代謝も落とし、身体が重く疲れやすいサイン。
湯船に浸かると、温熱と浮力で筋肉の緊張がふっとゆるみ、
呼吸が深くなり、姿勢が整い、エネルギー効率が上がります。
結果として、日常の消費カロリーまで自然と増えるのです。
「温まって緩む」だけで、身体はあなたの味方になる。
無理な努力が苦手な人ほど、入浴の“静かな燃焼効果”が響きます。
——これら3つの変化は、汗の量とはまったく関係ありません。
汗をかく・かかないではなく、「体温」「血流」「緊張のゆるみ」が、脂肪燃焼のスイッチを入れるのです。
入浴×自律神経|ダイエットがうまくいく人は“副交感神経が育っている”
「ダイエットが続かない」「つい食べすぎてしまう」「なぜか太りやすい」——。
そんな悩みに共通しているのが、自律神経の乱れです。
意志が弱いわけでも、食べるのが悪いわけでもありません。
心と身体をつなぐ“自律神経のスイッチ”が乱れているだけなのです。
これは多くの医学データでも裏付けられている、大切な真実です。
✔ ストレス太りのメカニズム
ストレスが溜まると、身体は「戦闘モード」=交感神経優位になります。
すると、コルチゾール(ストレスホルモン)が増え、次のようなことが起きます。
・食欲が乱れる(甘いもの・脂っこいものが欲しくなる)
・脂肪が蓄積しやすくなる
・寝つきが悪くなり、さらに代謝が落ちる
特にお腹まわりに脂肪がつきやすくなるのは、まさにこの“コルチゾールの影響”。
✔ 入浴で副交感神経が優位になる科学
40℃前後のお湯に浸かると、身体は“安心モード=副交感神経優位”へ自然に切り替わります。
・呼吸が深くなる
・心拍数がゆっくりになる
・筋肉がゆるむ
・脳がリラックス信号を出す
この連鎖が起きると、ストレスで乱れた自律神経がゆるやかに整い、
無理なく「痩せやすいリズム」に戻っていきます。
精神科も含む多くの医療分野で「入浴=自律神経調整法」として推奨されているほどです。
✔ 副交感神経が整うと起きる3つの変化
ストレスで乱れた食欲中枢が落ち着き、「なんとなく食べたい」が減る。
深い睡眠が増え、脂肪の分解・代謝ホルモンが正しく働き始める。
イライラ・不安・疲労感が軽くなり、「太りにくい心と身体」へ整っていく。
つまり、入浴はただのリラックスではなく、
“痩せるリズム”を取り戻す根本ケア。
がんばらないのに身体が変わっていく人は、
この“副交感神経の整い”をうまく味方につけているのです。
痩せやすい身体をつくる「入浴ルーティン」|40℃×10〜15分
入浴のダイエット効果を最大限に引き出すには、
「温度」と「時間」の2つを整えることがとても大切です。
実は、痩せる人が共通してやっているのは、特別なことではありません。
“40℃のお湯に10〜15分、静かに身をゆだねるだけ”。
このシンプルなルーティンが、深部体温・血流・自律神経を整え、
身体を“痩せやすい設定”へと導いてくれます。
毎日続けても負担にならず、むしろ心地よさが積み重なるのが入浴のいいところです。
✔ 最適温度:38〜40℃(ぬるめが正解)
40℃前後のお湯は、身体がリラックスモードに切り替わる絶妙な温度帯。
・血管が自然に広がる
・副交感神経が優位になる
・心臓に負担をかけない
熱すぎるお湯(41℃以上)は、交感神経が興奮してしまい、
食欲アップ・イライラ・寝つきの悪さにつながることもあります。
ぬるめの方が深部体温がじんわり上がり、痩せる効果が長く続きます。
✔ 最適時間:10〜15分(長すぎは逆効果)
長いほどいいと思われがちですが、長風呂は疲労や脱水の原因に。
脂肪が動き出すのに必要な深部体温の上昇は、10〜15分で十分です。
「気持ちいい」と思える時間に留めるのがポイント。
続けるほど、“燃える身体の土台”が作られていきます。
✔ 半身浴より“全身浴”が脂肪動員に有利
深部体温を効率よく上げるには、肩までしっかり浸かる全身浴が有利です。
半身浴はリラックス効果はありますが、
深部体温の上昇が緩やかなので、脂肪燃焼のスイッチは入りにくめ。
短時間で「めぐり」を整えるなら全身浴がベストです。
むくみ改善にもつながります。
✔ 入浴前後の水分補給のコツ
入浴中は意外と汗をかいています。水分が不足するだけで、
血流が悪くなり、ダイエットどころか逆効果に。
・入浴前:コップ1杯の常温水
・入浴後:ゆっくり常温〜白湯を
冷たい水は胃腸を一気に冷やしてしまうため、代謝が落ちやすくなります。
✔ 太りやすい入浴習慣
→ 交感神経が興奮し、逆に太りやすいリズムに。
→ 脱水・疲労・めまいの原因に。
→ 交感神経がONになり、リラックス効果が激減。
「温度・時間・静けさ」を整えるだけで、入浴は“痩せる準備の時間”に変わります。
むくみと冷えが改善すると体重が落ちやすくなるワケ
「なんだか足が重い」「夕方になるとパンパン」「身体がいつも冷えている」。
こうした状態は、単なる体質ではなく、“痩せにくさのサイン”でもあります。
むくみと冷えは、体重以上にあなたの身体の“めぐり”を止めてしまう存在。
そして、この2つは入浴によって最も改善しやすい症状なのです。
血流・リンパ・老廃物・エネルギーが流れず、脂肪も燃えにくい状態です。
✔ むくみ=体の中で“水の渋滞”が起きている状態
むくみは、血液やリンパの流れが滞り、余分な水分が四肢に溜まってしまうことで起こります。
デスクワーク、立ちっぱなし、運動不足、冷え、塩分の摂りすぎ…
日常のちょっとした習慣が“むくみ体質”をつくってしまいます。
・代謝が落ちる
・脂肪が燃えにくい
・身体が重く動きにくい
→ つまり、むくみは“痩せないループ”の入口なのです。
✔ 静水圧がむくみを流す
湯船につかると、水圧がふくらはぎ・太もも・お腹に均等にかかります。
この静水圧が、まるでリンパマッサージのような働きをしてくれるのです。
・下半身に溜まった血液が心臓に戻りやすくなる
・リンパの流れが改善される
・脚のだるさが軽くなる
むくみやすい人ほど、入浴後の脚の軽さが“すぐにわかる”のも特徴です。
脚のラインが変わり始める人が多いのもこの作用のおかげです。
✔ 冷えが改善すると、脂肪が“使われる身体”に変わる
冷えている身体では、脂肪を燃やすための酵素がうまく働きません。
つまり、冷え=代謝のブレーキ。
入浴で深部体温が上がり、血流が改善すると、
細胞の燃焼スイッチが自然に入るため、脂肪がエネルギーとして使われやすくなるのです。
「冷え → 流れの停滞 → 脂肪が使われない」ループを断ち切りやすいから。
✔ 血流改善で脚のラインが変わる
入浴を習慣にすると、足首・ふくらはぎ・太ももに“スッキリ感”が出てきます。
これは一時的な水分変化ではなく、
血流とリンパの改善によって、むくみが溜まりにくい体質に変わるから。
重さが取れると、歩く・動くがラクになるため、運動量も自然と増え、
痩せやすい身体のサイクルが回り始めます。
ここが改善すると、体重以上に身体の軽さが実感として返ってきます。
入浴後90分が“脂肪燃焼ゴールデンタイム”
湯船から上がったあと、体がふわっと軽くなり、まぶたが穏やかに落ちてくるような眠気が訪れますよね。
実はその瞬間こそ、脂肪が燃えやすくなる“ゴールデンタイム”の始まりなのです。
多くの人は入浴そのものだけに注目しますが、本当の勝負は入浴後の90分。
ここを味方につけると、ダイエットの効率が驚くほど変わります。
“何もしないのに痩せやすくなる”仕組みがここに隠れています。
✔ 深部体温の下降と眠気の関係
入浴で深部体温が上がったあとは、90分かけてゆっくり下降していきます。
この「体温が下がるカーブ」が眠気を引き起こし、自然と質の良い睡眠に入る準備が整います。
眠り始めの最初の90分が、脂肪を燃やすホルモン(成長ホルモン)が最も分泌される時間でもあるため、
入浴→適度な体温下降→深い睡眠 の流れは、ダイエットにとって理想的な流れなのです。
たとえば夜23時に寝たいなら、21:30〜22:00に入浴するのがベストです。
✔ 入浴後は交感神経が落ち着き、睡眠の質がUP
40℃前後のお湯で副交感神経が優位になった後は、
心拍数が落ち着き、筋肉の緊張がゆるみ、身体が“休息モード”に入ります。
この静けさの中で眠りにつくと、深いノンレム睡眠が増え、脂肪燃焼が促進されます。
入浴は、睡眠の“質”を底上げしてくれる最も手軽なセルフケアです。
✔ 睡眠不足が太る理由(コルチゾール・食欲ホルモン)
睡眠不足になると、身体は“緊急モード”に入り、次のような変化が起こります。
・コルチゾール増加(ストレス太りの原因)
・食欲ホルモン(グレリン)増加
・満腹ホルモン(レプチン)低下
つまり、食欲は増えるのに、満腹感は得にくい。
太るための準備が整ってしまうのが睡眠不足です。
✔ 寝る前の入浴がダイエット成功者に多いワケ
ダイエットに成功した人が口をそろえて言うのが、
「夜のお風呂で一日のスイッチを切り替えている」ということ。
夜の入浴には、以下のようなメリットがあります:
・深い睡眠を誘導し、代謝が上がる
・食欲の暴走を抑える
・ストレスの蓄積をリセット
・体と心が“軽さのループ”に入る
この積み重ねが、結果として体重の変化につながっていくのです。
入浴は「その日の疲れを流す」だけではなく、「明日の身体をつくる」時間でもあります。
忙しい日でもできる、「やせる入浴習慣」を作るコツ
「湯船に浸かりたいけど時間がない…」「毎日は無理…」
そんな声を本当にたくさん聞いてきました。
でもね。忙しい日こそ、身体は温めてほしいと静かにSOSを出しています。
そして、入浴の効果は“完璧にやる必要はない”のです。
ここでは、どんな日でも無理なく続けられる、
“現実的でシンプルな入浴習慣”をご紹介します。
短くても、部分的でも、毎日の小さな温まりが“めぐり体質”をつくります。
✔ 湯船に浸かれない日は“足湯”で代用
忙しい日、どうしても湯船に浸かれない日は足湯だけで十分です。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど血流を左右する場所。
ここが温まるだけで、全身の血流がぐっと変わります。
・洗面器や桶に40℃前後のお湯を入れる
・くるぶし〜ふくらはぎの半分くらいまで温める
・10分でOK
→ “脚だけ入浴”でも深部体温が上がることが医学的にもわかっています。
✔ シャワー勢でもできる「温冷交代」
どうしても湯船に浸かれない日が続くと、身体が冷えやすくなります。
そんなときにおすすめなのが温冷交代浴。
シャワーだけの日でも、温・冷を交互に3セットするだけで、
血管がポンプのように動き、自律神経のバランスも整います。
1)40℃のお湯を30〜60秒
2)冷たい水を10秒ほど
これを3回くり返すだけ。
→ 眠気がスッと出るため、寝つきも良くなります。
✔ スマホを持ち込まない“自律神経オフ時間”をつくる
入浴中にスマホを見ていると、脳はずっと“情報モード”。
本来は副交感神経が優位になる時間なのに、
交感神経がONのままになってしまうのです。
入浴の本当の効果は“静けさ”の中でこそ発揮されます。
・浴室の外に置く
・アロマや音楽で“心が緩む演出”をする
・照明を落とすのも効果的
→ デジタルデトックスは食欲・睡眠・ストレスにも良い影響を与えます。
✔ “完璧にやろうとしない”ことが習慣化のコツ
忙しい日があって当然です。
大切なのは、どんな日でも「ゼロにしない」ということ。
・湯船に5分だけ浸かる
・足湯だけする
・シャワーで温冷交代だけやる
どれも立派な“痩せる入浴習慣”。
そして、こうした小さな積み重ねが、身体のめぐり・体温・睡眠を整え、
気づけば痩せやすいリズムが完成していきます。
それを続けられる人が、最終的にいちばん身体を変えていきます。
注意すべき入浴パターン(高血圧・持病のある方)
入浴は心も身体も整えてくれる大切な習慣ですが、
高血圧や持病がある方の場合、少しだけ“安全のための工夫”が必要です。
正しい知識を持っていれば、無理することなく、心地よい入浴時間を楽しめます。
ここでは、看護師として私が患者さんにもお伝えしていた
「入浴時の注意ポイント」をやさしく整理していきます。
でも“安全に入ること”がいちばん大切です。
✔ ヒートショックを避けるための温度管理
冬場や寒暖差が大きい季節に注意したいのが、ヒートショック。
寒い脱衣所 → 熱い浴室 → 熱いお湯 と移動することで、
血圧が急上昇・急下降し、倒れてしまうリスクがあります。
とくに高血圧・心臓疾患のある方は慎重に。
・脱衣所を暖めておく(目安:20℃以上)
・浴室を事前にシャワーで温めておく
・お湯の温度は「40℃以下」に
・湯船に入る前に、かけ湯で温度差を減らす
✔ 食後・飲酒後の入浴は避ける
食後すぐの入浴は消化不良の原因になります。
血液が胃腸に必要なタイミングで、入浴によって皮膚へと分散されてしまうためです。
また、飲酒後の入浴は脱水・事故のリスクが高く危険です。
血圧の変動や意識障害を招くケースもあり、医療現場でもよく見られます。
・食後:1〜1.5時間あける
・飲酒後:アルコールが抜けてから(酔っている状態では絶対に入らない)
✔ 持病がある方(心疾患・腎疾患・糖尿病など)は要相談
持病によっては、入浴が心臓・血管・腎臓に負担をかける場合があります。
・心不全
・狭心症・不整脈
・腎機能低下
・重度の糖尿病
・めまいの持病
・脱水リスクが高い疾患
これらに該当する場合は、必ず主治医に相談したうえで入浴習慣を整えることをおすすめします。
無理に頑張る必要はありません。
✔ 誰にでも共通する「安全入浴チェックリスト」
・体調はいつも通り?
・脱水していない?(水分摂取OK?)
・フラつきはない?
・お湯は40℃以下
・入浴は10〜15分以内
・のぼせる前に出る
・ゆっくり立ち上がる
・水分補給をする
・急激に冷やさない
入浴は正しく行えば、心と身体をやさしく整えてくれる最高のセルフケアです。
まとめ
ダイエットというと、どうしても「がんばらなくちゃ」「続けなきゃ」と、
心にギュッと力が入ってしまうものですよね。
でも本当は——
身体は、がんばりより“整えること”を求めています。
湯船にそっと身を沈めるだけで、体温が上がり、血流がめぐり、
自律神経が静かに整っていく。
その変化は目には見えなくても、
身体の内側では“痩せやすいスイッチ”が連続して入っているのです。
「ただ温まるだけ」の行為が、あなたの未来にそっと寄り添います。
むくみが流れ、冷えがほどけ、
眠りが深くなり、食欲が落ち着き、
心が静かに元のリズムを取り戻す——。
その積み重ねが、
“がんばらないのに痩せやすい身体”を自然に育ててくれるのです。
もし、最近ちょっと疲れていたり、
太りやすさを感じていたり、
自分のペースを見失っているときは——
どうか、湯船に身を預ける10分をつくってあげてください。
その第一歩に、入浴というシンプルな習慣を添えてあげてくださいね。
小さなぬくもりの積み重ねが、あなたの未来を確かに変えていきます。
今日も、おつかれさまでした。ゆっくり温まってくださいね。
FAQ(よくある質問)
入浴ダイエットについて、よくいただくご質問とその答えをまとめました。
お風呂で汗をかけば痩せるって本当?
汗をかくこと自体では、ほとんどが水分が減っているだけで、体脂肪はほとんど減りません。
ダイエットの観点で大事なのは、汗の量ではなく、深部体温が上がって血流や代謝が整うことです。湯船でじんわり温まることで、脂肪が“使われやすい身体”へと近づいていきます。
半身浴と全身浴はどちらがダイエット向き?
ダイエット目的で深部体温をしっかり上げるという点では、肩まで浸かる全身浴の方が有利です。
ただし、心臓や血圧に不安がある方、のぼせやすい方は無理をせず、半身浴や短めの全身浴など、自分の体調に合わせて調整してください。目安は38〜40℃で10〜15分程度です。
入浴は朝と夜、どっちが痩せる?
“痩せやすい体質づくり”という意味では夜がおすすめです。夜の入浴で深部体温が上がり、その後ゆるやかに下がることで眠気が訪れ、睡眠の質が高まりやすくなります。
質の良い睡眠は、脂肪燃焼ホルモンの分泌や食欲ホルモンのバランスにも関わるため、結果的に太りにくいリズムにつながります。朝風呂はリフレッシュや目覚ましには良いですが、ダイエット面では夜の方が一歩リードです。
熱いお湯のほうが痩せるの?
「熱いお湯=たくさん汗をかく=痩せる」と思われがちですが、実は逆効果になることもあります。
42℃以上の熱いお湯は交感神経を強く刺激し、心拍数や血圧を上げてしまいます。その結果、疲れやすくなったり、食欲が増えたり、睡眠の質が下がったりすることもあります。
ダイエットには、38〜40℃の「ちょっとぬるめ」で副交感神経が整う入浴がおすすめです。
入浴後に気をつける飲み物は?
入浴後は汗で水分が失われているので、水分補給は必須です。ただし、選ぶ飲み物には少し注意が必要です。
避けたいのは、キンキンに冷えた飲み物・砂糖たっぷりの清涼飲料・アルコール。これらは胃腸を冷やしたり、血糖値や睡眠の質に影響したりします。
おすすめは、常温の水・白湯・カフェインレスのハーブティーなど。身体の内側からも「めぐり」を邪魔しない飲み物を選んであげてくださいね。
参考・監修情報
本記事の内容は、看護師としての臨床経験に加え、以下のような公的機関・学術情報を参考に構成しています。
ご自身の健康管理や、主治医との相談の際の資料としてもご活用ください。
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厚生労働省|e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
睡眠の質と生活習慣(入浴タイミングなど)との関係について解説した公的コンテンツ。
「就寝1〜2時間前の入浴が睡眠に有効」といった科学的知見の背景として参照しています。
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html -
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
睡眠時間と肥満・高血圧・糖尿病・心疾患などのリスクとの関連についてまとめたガイドライン。
「睡眠不足が太りやすさや生活習慣病リスクを高める」という記述の根拠として参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf -
J-STAGE|早坂信哉「入浴習慣と健康 —疫学的観点から—」温泉気候物理医学
入浴習慣と健康との関連を疫学的に検討した論文。
入浴頻度と健康指標の関係、温熱・静水圧・浮力などの作用についての記述にあたって参照しています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/75/1/75_17/_article/-char/ja/ -
環境省 × 一般社団法人日本温泉気候物理医学会
「あんしん・あんぜんな 温泉利用のいろは」
温泉・入浴の禁忌、注意事項、安全に楽しむためのポイントをまとめた一般向け資料。
高血圧・心疾患など持病を持つ方の入浴上の注意や、温度管理・ヒートショック予防の観点で参考にしています。
https://www.env.go.jp/content/900492872.pdf -
国立循環器病研究センター|冬場は心筋梗塞による心停止が増加
冬季の寒暖差やヒートショックが心血管イベントに与える影響を解説したプレスリリース。
脱衣所と浴室の温度差、熱いお湯による血圧変動とリスクに関する説明の根拠として参照しています。
https://www.ncvc.go.jp/pr/release/003108/ -
日本肥満学会関連サイト|良い睡眠は肥満や高血圧のリスクを減らす
睡眠習慣と肥満・高血圧などのリスク低下との関係について解説した一般向け記事。
「生活リズム・睡眠改善が肥満予防につながる」という趣旨の記述の補強として参考にしています。
https://himan.jp/news/2025/000946.html -
厚生労働科学研究費補助金事業報告
「温泉利用が健康づくりにもたらす総合的効果について」
温泉浴が高血圧・脂質異常症・うつ症状などの予防やQOL向上に与える可能性を検討した研究。
入浴・温泉利用が長期的な健康増進に寄与しうる、という背景情報として参照しています。
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/23931
※本記事は上記の公的情報・学術情報をもとに、一般の方向けにわかりやすく再構成したものであり、
個々の症状・治療方針については必ず主治医などの医療専門職にご相談ください。
本記事の内容は、看護師としての経験と公的情報に基づき、
一般的な健康維持・生活習慣改善の一助としてまとめたものです。
入浴・運動・食事などによる効果には個人差があります。
また、特定の結果(減量・症状改善など)を保証するものではありません。
以下に該当する方は、入浴方法を変更する前に、
必ず医師・看護師・薬剤師などの医療専門職にご相談ください。
- 高血圧・心臓病・腎臓病・糖尿病など持病のある方
- 妊娠中・産後まもない方
- めまい・立ちくらみ・貧血が起こりやすい方
- 服薬中で生活習慣に制限がある方
体調がすぐれないとき、息苦しさ・動悸・めまい・強い疲労感などを感じた場合は、
すぐに入浴を中止し、安全を第一に行動してください。
本記事は医療行為を目的としたものではありません。
ご自身の体調に合わせ、無理のない範囲で安全にご実践ください。


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